「切符(きっぷ)」発売される根拠とは?
先日は、「切符(きっぷ)とは何か?」ということについて3回シリーズでご説明しました。これから「切符(きっぷ)」発売される根拠についてご説明します。
今のJRグループ(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、JR貨物)は、昔は日本国有鉄道(国鉄)でした。1987年4月1日に国鉄が民営化されて、JRグループになりました。蛇足ですが、1987年当時は、前記7社を含む12社に事業が継承されました。残りの5社は、鉄道通信会社(現在は、ソフトバンク)、鉄道情報システム(JRシステム)、新幹線鉄道保有機構(1991年10月解散)、財団法人鉄道総合技術研究所(2011年4月、公益財団法人に移行)、日本国有鉄道清算事業団(1998年10解散)です。
昔の国鉄時代は、全国にネットワークを持っていたため、鉄道営業法や鉄道運輸規程に基づいて、「旅客営業規則」「貨物営業規則」を定め、利用者に対して、「こういう条件で契約して、輸送サービスを行う。」と公示していました。いわゆる「約款」です。
これらの営業規則は、JR各社が内容を踏襲して引き継ぎ、事情に合わせた細かい改訂を繰り返して、現在まで使われている。また、JR以外の私鉄や公営の各社局なども、おおむね国鉄の営業規則に準拠した営業規則をそれぞれ定めています。国鉄では旅客に関して、「旅客営業取扱基準規程」を社内通達として定めて、JR各社に引き継いでいます。
「旅客営業規則」と「旅客営業取扱基準規程」は一対となるもので、市販の時刻表などでは、これらの規則、規程の一部を利用者に分かり易いように巻末などにある営業案内でかみ砕いて紹介しています。いわゆる時刻表のピンクページと言われるところです。JR東日本、やJR東海など、自社のサイトで「旅客営業規則」を公開している会社も多いので、興味のある方はご一読するものありです。
また、JR、私鉄その他を問わず、有人駅には「旅客営業規則」が必ず備え付けてあるので、参照したければ遠慮なく請求してかまいません。
次回は、「鉄道に乗るのに必要な切符」についてです。