運賃計算方法(その8)

発着区間が本州3社とJR四国またはJR九州にまたがる場合の運賃に
ついて説明します。

(1)発着区間のうち、幹線のみの場合は営業キロにより、
   また、幹線と地方交通線を連続する場合は、幹線区間の営業キロと
   地方交通線の擬制キロとを合計したキロ(運賃計算キロ)にもとづいて、
   それぞれ時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)から、基準額を
   算出します。

(2)JR四国(児島以南)またはJR九州(下関・小倉または博多以西)の
   乗車区間が幹線のみの場合は営業キロにより、幹線と地方交通線を
   連続する場合は、幹線区間の営業キロと地方交通線の擬制キロとを
   合計したキロ(運賃計算キロ)により、時刻表のJR北海道・
   JR四国・JR九州にまたがってご乗車の場合の(幹線)の
   加算額表(C表)から加算額を算出します。
   
(3)(1)の基準額に、(2)の加算額を合算したものが運賃となります。

   JR四国の瀬戸大橋線にまたがる区間では、運賃を別に定めた区間があります。
   JR四国の特定区間の運賃表を見てください。

   例15)山陽本線岡山から鹿児島本線熊本まで新幹線(岡山-熊本)を
      利用する場合の運賃

      岡山-熊本間の運賃計算キロは564.8キロです。1キロ未満は
      切り上げて、565キロです。これを時刻表の本州3社(幹線)の
      運賃表(A表)にあてはめ、561~580キロの欄から
      基準額9,130円が算出されます。
      次に、博多-熊本間がJR九州なので、その営業キロを
      別に算出すると、118.4キロです。
      1キロ未満は切り上げて、119キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
      JR九州の101~120キロの欄から加算額190円が算出されます。
      したがって、基準額9,130円に加算額190円を合算し、
      運賃は9,320円になります。
      ※全区間在来線を利用する場合は、山陽本線下関がJR西日本と
       JR九州との境界駅ですので、下関-熊本間197.4キロが
       JR九州乗車分になり、加算額は330円です。
       したがって、基準額9,130円に加算額330円を合算し、
       運賃は9,460円となり、
       新幹線を利用する場合と運賃が異なります。
       ※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
        櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。

   例16)日豊本線大分から予讃線高松まで新幹線(小倉-岡山間)を
      利用する場合の運賃
      大分-高松間の運賃計算キロは583.9キロです。1キロ未満は
      切り上げて、584キロです。
      これを時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)にあてはめ、
      581~600キロの欄から基準額9,460円が算出されます。
      次に、大分-小倉間がJR九州なので、その営業キロを
      別に算出すると、132.9キロです。
      1キロ未満は切り上げて、133キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
      JR九州の121~180キロの欄から加算額220円が算出されます。
      さらに、児島-高松間がJR四国なので、その営業キロを
      別に算出すると、44.0キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合のの加算額表(C表)にあてはめ、
      JR四国の41~45キロの欄から加算額210円
      (瀬戸大橋線の加算運賃110円を含む)が算出されます。
      したがって、基準額9,460円にJR九州の加算額220円と
      JR四国の加算額210円を合算し、運賃は9,890円になります。
      
      ※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
       櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。

以上、8回に渡りJRの運賃計算を解説しました。
これまで8回に渡り解説した内容をきちんと頭に入れておけば、
たとえどんなところへ行くにも運賃計算は自分でできます。