きっぷ,ブログ,運賃計算ルール,鉄道

山手線内発着の乗車券のキソクでソンすると判断したときは、規則の性格を
よく理解して十全なマイ・プランを持つことが大切です。
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 |      |山手線への |到達駅から    |
 |      | 到達駅  |東京までの営業キロ|
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 |東海道線  | 品 川  |  6.8キロ  |
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 |高崎・上越 | 田 端  |  7.1キロ  |
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 |総武線   | 秋葉原  |  2.0キロ  |
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 |中央線   | 新 宿  | 10.3キロ  |  
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 |常磐線   | 日暮里  |  5.8キロ  |
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上表は各線の出発駅からみて山手線に到達する駅とその駅から東京駅までの距離です。
上表でみると、この規則の恩恵を多く受ける利用者は、総武線を利用する方々のようです。
山手線外回りは神田、内回りは御徒町、上野、
総武線では御茶ノ水、水道橋より先に行く人は全ておトクになります。

例1

外房線御宿(おんじゅく、千葉県)からの場合はどうでしょう。
総武線飯田橋、山手線鶯谷、有楽町以遠は、きっぷ2,310円、
IC乗車券2,310円のはずですが、御宿-東京(104.6キロ)のため、
市ヶ谷、新橋、日暮里以遠の人でもきっぷ1,980円、
IC乗車券1,980円ですみます。

例2

中央線の場合、新宿-東京間は10.3キロと離れているため,
中央線沿線で東京から101キロ以上離れた駅から新宿へ来るときは、
かなりの人がソンをしてしまいます。

東山梨(山梨県)-新宿は109.8キロで、この規則がなければ運賃は、
きっぷ1,980円、IC乗車券1,980円なのに、
東山梨-東京は120.1キロですので、たった100メートルのために
きっぷ2,310円、IC乗車券2,310円です。やりきれません。

そこで、大久保までのきっぷを買って出かけていきます(IC乗車券のばあいは、
大久保で下車し、再度大久保で乗車)。大久保から新宿までの乗り越し精算は
150円です。IC乗車券の場合は、
150円です(大久保で再乗車し、新宿で下車)。

笹子-大久保間が88.7キロ、甲斐大和-大久保間が94.8キロで、
100キロ未満のため、新宿での乗り越し精算が差額精算となり、
大久保まできっぷを買っても意味がなくなりますので、この方法はつかません。

この方法を使えば、新宿へ出かけるためばかりではなく、
東京へ行く場合だって大久保までのきっぷを買ってきて
(IC乗車券の場合は大久保で下車して、再乗車すれば)、
大久保-東京駅を乗り越しすれば、大久保-東京間の運賃はきっぷ220円、
IC乗車券220円でので、きっぷ110円、
IC乗車券110円のトクとなります。

ところで、大久保ではなく同じ中央線上の計算上、
最も節約額の大きくなる途中駅(高尾あるいは八王子)までのきっぷを
買って(IC乗車券の場合、高尾、八王子で一旦下車、再乗車して)
新宿へ出ると、大久保より節約額が大きくなります。高尾-新宿間、
八王子-新宿間は「特定区間」であるため、この区間が安く運賃が
設定されているためです。

中央線のばあい、このほか出発駅によって色々な方法がありますので、
注意が必要です。
笹子(山梨県)から新宿へ行くばあい、
西荻窪で分けきっぷを買う(IC乗車券場合は、西荻窪で一旦下車して、
再乗車)ときっぷ420円、IC乗車券418円安くなります。

この例のほか色々ときっぷを途中駅で、
2つに分ける(IC乗車券のばあいは、途中駅で一旦下車、再乗車)と
いう方法で安くなることがあります。

中央線を例にとって示しましたが東海道線、総武線、常磐線、
高崎・上越線、東北線の場合も同じです。

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高崎線の熊谷(埼玉県)から神田(東京都、山手線内の駅)へ行く場合、
熊谷の駅で神田までのきっぷを買うと1,170円です。
そこでまず熊谷の駅で大宮(埼玉県)までのきっぷを買い、
大宮の駅で一旦降りて大宮から神田までのきっぷを買うと、
1,070円(IC乗車券(JR東日本)の場合は1,067円)ですんでしまいます。
                           
                          きっぷ   IC運賃(JR東日本)
熊谷-神田(63.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・  1,170円  1,166円
熊谷-大宮(34.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・  590円   594円
大宮-神田(29.0キロ=東京の電車特定区間)・・・・  480円   473円

これは熊谷で神田までのきっぷを買えば、本州3社の幹線の普通運賃が適用されますが、
2つに分けると熊谷-大宮間は本州3社の幹線の普通運賃が適用され、
大宮-神田間は東京の電車特定区間の普通運賃となるため、こんな運賃の開きとなってしまうのです。

これは同一線上に幹線と電車特定区間がまたがっているために起きるのです。
このような例は、枚挙にいとまがありません。

東海道本線の石山(滋賀県)から山崎(京都府)の場合も同じようなケースのひとつです。
この区間はJR西日本管内の運賃適用で、JR東日本管内ではないので、IC運賃の設定がありません。
このため、きっぷでもIC乗車券(Suica,ICOCA等)でも同一運賃です。

                           きっぷ        
石山-山崎(28.6キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・   510円

2つに分けると
                           きっぷ    
石山-京都(14.5キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・   240円
京都-山崎(14.1キロ=大阪の電車特定区間)・・・・   220円
この場合、通しで買うよりも京都で分けてきっぷを2枚買うと50円安くなります。