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例として、北千住ー天王台間(28.8キロ、電車特定区間)をみます。
通しで1カ月定期券を買うと14,170円です。

これを、北千住ー馬橋間(13.9キロ、電車特定区間)、
馬橋ー天王台間(14.9キロ、電車特定区間)と分けて定期券を
買えば、6,580円×2=13,160円です。
1,010円の節約となります。

上野ー取手間は「電車特定区間」、取手以遠は本州3社の幹線運賃です。
したがって、「電車特定区間」と「幹線」をまたがって利用している
ときの定期運賃は、本州3社の幹線運賃が適用となります。

土浦ー日暮里(63.8キロ、本州3社の幹線)の6カ月定期運賃は
165,330円です。

これを土浦ー馬橋間(34.7キロ、本州3社の幹線)
85,540円、馬橋ー日暮里間(19.1キロ、電車特定区間)
44,260円と2つに分けると129,800円で、35,530円もの
節約ができてしまうのです。

104キロの例でみると、104キロの6カ月の定期代は、
270,860円(100キロ)+28,520円(4キロ)
=299,380円です。

70キロと34キロに分けると
193,240円(70キロ)+98,220円(34キロ)
=291,460円

その差は、7,920円です。2つに分けるとこんなに安くなります。
101キロ以上から通う人は、定期券を2つに分ければ安くなることを、
頭に入れて研究されることをお勧めします。

幹線と、電車特定区間、山手線を「特定区間」をまたいで通っている方は、
2つに分けると、とんでもない節約が見込めるのです。

定期運賃は普通運賃をもとに決まるので、
普通運賃のところで2つに分ければ、
安くなる例をみたように定期運賃も同じような意味で
2つに分けると安くなります。

さらに、1カ月の定期運賃では遠距離になるほど割引率が悪くなったのですが、
6カ月定期では遠距離になるほど割引率が良くなるので、
2つに分けると安くなる例が多くなります。

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上野(東京都)から常磐線の水戸(茨城県)へ行く場合、
途中の荒川沖で下車する例を考えてみます。
上野ー水戸の運賃は、121.1キロできっぷ、IC乗車券共2,310円です。
当然、101キロ以上のきっぷですから荒川沖での途中下車は
可能(IC乗車券の場合は、途中下車すると
上野ー荒川沖の運賃が差し引かれてしまいます)です。

ですが、上野ー荒川沖のきっぷで出かけ、
荒川沖で改めて荒川沖ー水戸ときっぷを買ったとします。
通しで買ったきっぷで途中下車をしたときと荒川沖までのきっぷを
買って出かけ、荒川沖で水戸までのきっぷを買ったときを比較すると、
上野で荒川沖までのきっぷを買って出かけ、
荒川沖で水戸までのきっぷを買ったとき、
IC乗車券の場合は荒川沖で下車し、
荒川沖から水戸へ行ったとき、

               きっぷ、IC乗車券共
 上野ー荒川沖(59.4キロ)  990円
 荒川沖ー水戸(58.1キロ)  990円
 合計             1,980円

このときは、上野ー水戸と通しで買ったきっぷで途中下車するより、
上野ー荒川沖と買って出かけたほうが330円も安いのです。

水戸ー荒川沖のような例は、品川ー三島でも起こります。
品川ー三島の実キロは113.7キロですが、
品川が山手線内の駅のため、
東京ー三島間の実キロ120.7キロで運賃が計算されるため、
2,310円です。
101キロ以上のきっぷですので、どこでも途中下車可能です。

しかし、途中の平塚に用があって降りるとすれば、
水戸ー上野と同じで、分けたほうがきっぷの場合
330円安くなります。
平塚ー三島間はIC乗車券は使用できないため、
きっぷの購入となります。

              きっぷ、IC乗車券共
 品川ー平塚(57.0キロ)  990円
 平塚ー三島(56.7キロ)  990円
 合計           1,980円

もう一つの例、中央本線の笹子(山梨県)から
新宿(東京都)へ行くとき、笹子で新宿までのきっぷを買うと
1,980円(途中下車可、
IC乗車券の場合も1,980円)ですが、
まず笹子から途中の高尾(東京都)までのきっぷを買って
出かけ高尾で下車して新宿までのきっぷを買うと

                きっぷ   IC乗車券
 笹子ー高尾(47.3キロ)  860円    858円
 高尾ー新宿(特定区間)    570円    570円
 合計           1,430円 1,428円

きっぷの場合、1,430円で、550円、
IC乗車券の場合、1,428円で、552円安くなってしまうのです。

この方法は、以前記述した山手線発着の場合、
東京都区内・特定市内発着の場合に当てはまります。

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特定区間をうまく活用して節約した例をもう少し考えていきます。
今回は3回シリーズの最終回です。

例5
京都-神戸(75.9キロ)が特定区間(1,100円)で,
普通運賃(1,270円)と比べて170円安くなっているのに
京都-大阪(42.8キロ、特定運賃570円)、
大阪-神戸(33.1キロ、特定運賃410円)とつなぐと
普通運賃(75.9キロ、1,270円)よりさらに120円、
合計で290円も安くなってしまうのです。

このため、東海道本線の山科(京都府、幹線)から
神戸へ通う人の場合、1ヵ月の定期は、

 山科---神戸(81.4キロ) 39,130円

これを次のように分けると

 山科---京都(5.5キロ、幹線)  5,600円
 京都---大阪(特定区間)     16,840円
 大阪---神戸(特定区間)     12,530円

安くなる額は4,160円(10.6%)

こんな区間を設けたため運賃は混乱してしまいました。
つまり定期券にしろ、
上手につなげると安くなってしまうことが多いのです。

例6
横浜(神奈川県)から田端(東京都)に通うばあいの1ヵ月の定期代は

 横浜---田端(電車特定区間)35.9キロ 18,220円
 横浜---品川(特定区間)  22.0キロ  8,560円
 品川---田端(山手線)   13.9キロ  5,930円  
                    合計 14,490円

定期券を横浜-品川、品川-田端と2つに分けると
3,730円(20.5%)安くなってしまうのです。

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「東京・名古屋・大阪の特定区間の普通・定期運賃表」というのが
時刻表にポツンとの掲載されています。
なんの説明のないため、いろいろ憶測をよぶところですね。

じっと目を凝らしてみると、どうやらこれは、
JRと並行して走っているような”私鉄”と
営業競争上やむなく作った「特定」(ここだけ例外として特別です。
こうしないとお客様が私鉄にいっちゃうんでゴメンね、
といった風にとれます、事実そうですが・・・)の
運賃適用区間とわかります。
しかし、こんな「特別」を設けると、
それでなくとも矛盾含みのJR運賃は混迷を深めてしまいます。
何しろこれまでもちょくちょく記述してきたように
「普通運賃」は回数券や定期運賃のモトとなるわけですから・・・。
このことによって定期券や回数券までガタがきます。

特定区間があるのは、東京・名古屋・大阪地区のみです。
まずは、東京地区をみてみますと京成線と
競合する上野(東京都)-成田(千葉県)、
京王線と競合する高尾(東京都)-新宿(東京都)、
東急東横線と競う渋谷(東京都)-桜木町・横浜(神奈川県)、
京王井の頭線渋谷(東京都)-吉祥寺(東京都)、
京浜急行と競う新橋(東京都)-久里浜(神奈川県)その他,
なぜか横浜-鎌倉(神奈川県)などがあります。

現在、利用されている路線に、
特定区間が挟まっているかどうかJR線営業案内の「特定区間運賃表」に
良く目を通して確認してください。
あればしめたものです。
必ずといっていいほど運賃が安くなります。

「特定区間」というのは限られた区間で、
この区間を例えば「新宿-高尾」は得値です、
と決めているのであり、そこからひとつでもハミ出すと、
この「特定区間」は生きてこないのです。
これは、電車特定区間をひとつでもはみ出すと、
電車特定区間運賃が適用されないのと同じで、
あくまでも「●●-●●」のみの運賃です。

したがって、「特定区間」とそうでない部分を
2つに分ければ当たり前のことですが、安くなります。
新宿-高尾間は42.8キロ、この区間は本来「電車特定区間」で
電車特定区間の運賃表を見れば、
きっぷ730円・IC乗車券726円なのですが、
「特定区間」とされているため運賃は570円なのです。

もうお分かりのとおり、
特定区間の運賃は本来の普通運賃より安く設定されているのです。

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先日の「【ああ無情!】普通運賃は区間で決まっている。
区間を1メートルでも超えると無情にも上がっちゃう」というコラムで、
静岡-東京間3,410円は、たった200mのために,
運賃が180キロまでの運賃よりポンと330円上がってしまい悔しい思いを
しました。

181キロは(180.2キロ)は181-200キロの間ではもっともキロ単価が
高いところです。
キロ単価は18.84円します。
さればキロ単価の安いところ同士を2つ合わせれば安くなるはずです。
静岡-戸塚(神奈川県)は140キロ(139.3キロ)、
戸塚-東京間は41キロ(40.9キロ)そして戸塚-東京間は電車特定区間です。

キロ単位で見ると、
静岡-戸塚(140キロ)✕16.5円(キロ単位)=2,310円
戸塚-東京(41キロ)✕17.8円(キロ単位)=730円

通しできっぷを買うよりキロ単価は、この2つに分けたほうが安いことが分かります。
そこで、静岡から東京に出かけるときは、きっぷは通しで買わずに、
2つに分けると節約になるのです、

 静岡-東京=3,410円
 静岡-戸塚(2,310円)+戸塚-東京(きっぷ:730円、IC運賃:726円)
=きっぷ:3,040円、きっぷ+IC=3,036円

よって、きっぷのみの場合は370円、きっぷ+IC乗車券利用の場合374円の節約と
なります。

静岡-戸塚間は、JR東海管内とJR東日本管内にまたがる乗車券となるため、
IC乗車券は使用不可となり、きっぷのみとなります。
実際の利用のしかたは、在来線のみ利用であれば,
静岡の駅の窓口で戸塚までのきっぷを買って出かける。
そして、東京駅の精算窓口で乗り越し精算をすれば370円の節約です。
乗り越しの場合、精算窓口での精算ではきっぷの値段の精算になります。
ご注意ください。

新幹線の利用であれば、品川~小田原間が在来線との別線扱いとなるため、
この方法は使えませんので、静岡の駅の窓口で、静岡-東京間のきっぷの購入を
してください。
乗り越し精算については後日詳しく説明します。

帰りもまた、同じように乗り越し規則を利用します。在来線のみを使用する場合、
東京から由比(静岡県、距離158.4キロ)までのきっぷを買って乗車し、
静岡の駅で由比-静岡間(21.8キロ)の精算をします。
東京から戸塚は100キロ未満のため、戸塚までのきっぷの乗り越し精算は、
静岡までの運賃3,410円と東京-戸塚間730円の運賃の差額2,680円で、
乗り越し精算の規則を上手に使う意味がなくなります。
新幹線に乗車する場合は、三島~静岡間が在来線との別線扱いとなるため、
この方法は使えませんので、東京駅の窓口で、東京-静岡間の
きっぷの購入をしてください。

 東京-静岡=3,410円
 東京-由比(2,640円)+由比-静岡(420円)=3,060円

350円の節約となります。由比-静岡間はJR東海管内となるため、
IC運賃の設定はありません。
この方法はぜひ実行してみてください。これは規則に反することでもなく、
全ての規則を遵守した方法です。

往復で、きっぷで740円、きっぷ+IC乗車券使用で748円の節約なんて、
たった200mのためにおきた悔しさなんて吹っ飛んでしまうじゃありませんか?

出発駅から着駅が101キロ以上でキロ当たりの運賃単価が高いところで、
この方法が可能となる場合が多くあります。
例えば、出発駅から着駅までキロが200.1キロとか205.0キロなどが
当てはまりますから、悔しい思いをしている人はぜひこの方法を諦めずに
試してみてください。

きっぷを2つに分けてJRを利用することの大事さは、なにしろ普通運賃が
定期券や回数券、その他の割引きっぷのモトとなっているため、
大きな意味を持っています。
普通運賃で2つに分けると安くなるということは、
ほとんど自動的に定期券や回数券も2つに分けて買えば安くなるからです。

これから”時刻表を解読”していくカギとなるのが、
”きっぷを2つに分けて買って利用する”です。

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本州3社幹線の普通運賃できっぷを2つに分けたときの実例を見てみます。

大船(神奈川県)-二宮(神奈川県)間(東海道本線の幹線区間です)は
26.6キロ、運賃は510円(IC運賃:506円)です。
そこで、大船-茅ヶ崎(神奈川県、距離は12.1キロ)と
茅ヶ崎-二宮(14.5キロ)と2つに分けてきっぷを買えば、
大船-茅ヶ崎、茅ヶ崎-二宮間はともに240円(IC運賃:242円)ずつですので、
合わせて480円(IC運賃では484円)、
やっぱり2つに分けたほうが30円(IC運賃では18円)安くなります。

東京の電車特定区間で実例をみてみます。

東京-武蔵小金井(東京都、中央本線)は電車特定区間の範囲にあるので、
この区間は電車特定区間の運賃表で計算されます。
この両駅のほぼ中間にあたる中野(東京都)できっぷを
わけるとどうなるのでしょうか?

                           きっぷ  IC運賃(JR東日本)
東京-武蔵小金井(29.1キロ=東京の電車特定区間運賃)・ 480円    480円
東京-中野   (14,7キロ=東京の電車特定区間運賃)・ 220円    220円
中野-武蔵小金井(14.4キロ=東京の電車特定区間運賃)・ 220円    220円

通しで買うより2つに分けたほうがきっぷは40円、IC乗車券は40円安くなってしまいます。

本州3社幹線と電車特定区間で2つに分けるとどうなるかみてみましょう。
東北本線白岡(埼玉県)から川口(埼玉県)の場合、通しで買うきっぷは、
510円(IC運賃:506円、距離27.7キロ)ですが、
白岡-大宮(埼玉県)240円(IC運賃:242円、距離13.2キロ、幹線)、
大宮-川口220円(IC運賃:220円、距離14.5キロ、東京の電車特定区間)と
分けると460円(IC運賃:462円)となって、通しで買うより安くなります。

以上、みてきたように、運賃を幹線や電車特定区間などとわけたこと、
そして区間運賃制をとったことで複合した矛盾が生じ、
その結果きっぷを2つに分けて買ってJRを利用すると安くなる場合が
多いということが分かって頂けたと思います。

次回は、本州3社の幹線の運賃表の特徴を分析してから、
2つにきっぷを分けると安くなる方法をいろいろと考えてみましょう。

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高崎線の熊谷(埼玉県)から神田(東京都、山手線内の駅)へ行く場合、
熊谷の駅で神田までのきっぷを買うと1,170円です。
そこでまず熊谷の駅で大宮(埼玉県)までのきっぷを買い、
大宮の駅で一旦降りて大宮から神田までのきっぷを買うと、
1,070円(IC乗車券(JR東日本)の場合は1,067円)ですんでしまいます。
                           
                          きっぷ   IC運賃(JR東日本)
熊谷-神田(63.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・  1,170円  1,166円
熊谷-大宮(34.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・  590円   594円
大宮-神田(29.0キロ=東京の電車特定区間)・・・・  480円   473円

これは熊谷で神田までのきっぷを買えば、本州3社の幹線の普通運賃が適用されますが、
2つに分けると熊谷-大宮間は本州3社の幹線の普通運賃が適用され、
大宮-神田間は東京の電車特定区間の普通運賃となるため、こんな運賃の開きとなってしまうのです。

これは同一線上に幹線と電車特定区間がまたがっているために起きるのです。
このような例は、枚挙にいとまがありません。

東海道本線の石山(滋賀県)から山崎(京都府)の場合も同じようなケースのひとつです。
この区間はJR西日本管内の運賃適用で、JR東日本管内ではないので、IC運賃の設定がありません。
このため、きっぷでもIC乗車券(Suica,ICOCA等)でも同一運賃です。

                           きっぷ        
石山-山崎(28.6キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・   510円

2つに分けると
                           きっぷ    
石山-京都(14.5キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・   240円
京都-山崎(14.1キロ=大阪の電車特定区間)・・・・   220円
この場合、通しで買うよりも京都で分けてきっぷを2枚買うと50円安くなります。

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 幹線、11キロ~15キロの運賃を比較してみましょう。
幹線は、240円、地方交通線は240円、電車特定区間は220円、
山手線・大阪環状線内は、山手線200円、大阪環状線内200円です。
ちなみに、JR東日本のICカード運賃は、消費税を1円単位で設定しているため、
幹線は、242円、地方交通線は242円、電車特定区間は220円、
山手線・大阪環状線内は、山手線198円です。

それぞれ、20円ずつの違いですが、幹線と山手線では40円、
幹線と大阪環状線では40円の開きがあります。
な~んだ、20円、40円の違いか、と思われるかもしれませんが、
実はこの20円が大きくものをいうのです。

何しろ、普通運賃は定期運賃やその他の割引運賃のモトとなるわけですから、
20円の開きが大きな意味を持ってきます。

時刻表の電車特定区間の普通運賃表のところを見ますと、
『東京・大阪の電車特定区間内(上図の範囲)のみをご乗車の場合は、
「電車特定区間の普通運賃表」をご覧ください』、
そして山手線内・大阪環状線内のみをご利用になる場合は、
「山手線内・大阪環状線内の普通運賃表をご覧ください」とあります。

したがって、これらの運賃はあくまでも、その範囲内のみを利用した時に
適用される運賃で、電車特定区間を一つでもはみ出した場合は、
他の運賃になってしまうのです。
例えば、電車特定区間からはみ出し、幹線をまたがって利用したときには
幹線の運賃となってしまうのです。

大阪の電車特定区間の図を見ると、京都よりひとつ範囲をはみ出た(東京寄り)、
山科から西明石まで行く場合、運賃はたったひと駅はみ出たために
「幹線の普通運賃表」によって計算されてしまうのです。

 山科→京都→西明石(104.2キロ)=1,980円(幹線)
 京都→西明石(98.7キロ)=1,610円(電車特定区間)

山科~京都間は6キロ(5.5キロ)で運賃は、190円です。
それなのに運賃は370円の差となってしまいます。
山科~西明石を幹線の普通運賃表ではなく、電車特定区間の普通運賃を
適用してみると1,870円で、幹線運賃より110円安くなります。
このような違いが出てくることが、運賃を18種類に分けた問題なのです。

※東京の電車特定区間(山手線内は除きます)
  東京から行くと、下記の駅の範囲までです。
  横須賀線:久里浜まで、東海道本線・根岸線:大船まで、
  横浜線:東神奈川~橋本~八王子間、中央本線:高尾まで、
  青梅線:立川~奥多摩まで、五日市線:立川~武蔵五日市まで、
  武蔵野線:府中本町~武蔵浦和~南浦和~新松戸~西船橋~
千葉みなと(京葉線)まで、
  総武本線:千葉まで、常磐線:取手まで、東北本線・埼京線:大宮まで
※山手線内
  東京、品川、代々木、新宿、池袋、田端、日暮里、秋葉原、
神田の山手線で囲まれる範囲の全駅
※大阪の電車特定区間(大阪環状線内を除きます)
  大阪から行くと、かきのえきのは範囲までです。
  東海道本線(上り):京都まで、東海道本線・山陽本線:西明石まで、
片町線:長尾まで、
  おおさか東線:放出~久宝寺間、関西本線:奈良まで、
  阪和線:和歌山まで(鳳~東羽衣を含む)
※大阪環状線
  大阪、京橋、天王寺、今宮、西九条の大阪環状線で囲まれる範囲の全駅と
  桜島線(西九条~桜島間)。ただし、JR東西線各駅は除く

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発着区間が本州3社内またはJR北海道内のみの場合で、電車特定区間の運賃について説明します。

(1)電車特定区間の運賃
   東京周辺・大阪周辺の電車特定区間の範囲内で電車特定区間だけを乗車する場合は、
   営業キロにもとづいて、電車特定区間の運賃表から算出します。
   ※電車特定区間と他の区間とにまたがる場合は全区間に対して、幹線のみ、もしくは
    幹線と地方交通線とにまたがって乗車する場合の運賃計算方法を適用します。

   例6)町田から高麗川までの運賃
     町田-八王子間は電車特定区間の範囲ですが、八王子-高麗川間は範囲外で
     地方交通線ですから幹線と地方交通線とにまたがって乗車する場合の
     運賃計算方法を適用します。
     町田-八王子間(横浜線・幹線)の営業キロ19.7キロと八王子-高麗川間
     (八高線・地方交通線)の換算キロ34.2キロを合計した運賃計算は53.9キロです。
     これを時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)にあてはめて、51~60キロの
     欄の運賃990円を適用します。

   ここも、本来2つに分けて記述されたほうが分かりやすいのですが、一緒に併記されて
   いるので、わかりにくくなっています。

   a)東京と大阪だけにある「電車特定区間」の範囲内を乗車する場合は、電車特定区間の
    普通運賃表を見れば良いといっています。
   b)電車特定区間からハミ出して幹線とまたがったときには幹線の普通運賃表を見なさいと
    いっています。
    例7)横浜-藤沢間(東海道本線・幹線)の運賃
      横浜-大船間は電車特定区間ですが、藤沢-大船間は「電車特定区間外」になって
      しまいます。このときは、「幹線の普通運賃表」を見よ!といっています。
      この場合の運賃は、横浜-藤沢間の営業キロ22.3キロで、これを時刻表の本州3社
      (幹線)の運賃表(A-1表)にあてはめて、21~25キロの欄の運賃420円を
      適用します。
   c)横浜-高麗川までの運賃計算方法は例6)のとおりです。

次回は、発着区間が本州3社内またはJR北海道内のみの場合で、山手線・大阪環状線内の運賃他について、説明します。