きっぷ,ブログ,運賃計算ルール,鉄道

例えば、東京から池袋までJRで行く場合、
山手線内回り電車に乗れば25分ほどで着きます。
ただし、中央快速線に乗り、新宿で埼京線に乗り換えても、
所要時間は25分ほどです。

どちらを選ぶかは人はそれぞれでしょう。
運賃はどちらも220円です。
きっぷを買う時も山手線経由か中央線経由かは尋ねられません。
いちいち尋ねられたとしても、面倒ですね。

これは大都市の「近郊区間」内の駅に相互に
発着する特例に該当するケースです。
近郊区間は東京、仙台、新潟、大阪、福岡の5つの
エリアで設定されています。

この区間内のみを普通乗車券(ICカード乗車券を含む)、
回数乗車券で利用する場合、
片道乗車券として成立する「一筆書き」ルートである限り、
乗車経路は自由です。

運賃は、乗車駅と下車駅との最短距離で計算するという、
ルールがあります。
路線の数が多く、複数の経路が選べるケースがあちこちにある
ため、乗車券の発行の手間を省くために設けられた制度です。

東京~池袋間の場合は、
山手線田端経由が最短(12.3Km)で、
山手線内の運賃が適用されて220円となっています。

なお、近郊区間のみ通る乗車券は、距離や運賃にかかわらず
途中下車はできません。有効日数も1日限りです。これは、
上野~いわき、新宿~松本といった区間でも同じです。

「近郊区間を飛び出さず、途中で改札口も出ずに、
一筆書きルートで乗る限り、
乗車経路は自由」という制度を活かした遊びが、
いわゆる「大回り乗車」「150円旅行」というものです。

なお近年、この近郊区間は拡大傾向にあります。Suicaなどの
ICカード乗車券の普及とエリア拡大によるものです。

現在、JR東日本ではSuicaが使えるJRの路線は、
すべて近郊区間に含まれています。
仙台や新潟の近郊区間は、Suica導入時に設定されました。

これは、運賃を下車時に引き落とすというICカード乗車券の
性質上、そもそも事前の乗車経路の指定が不可能であることから、
いわば近郊区間に関するルールを逆手にとって、Suica利用
可能エリア=近郊区間としたものです。