きっぷ,ブログ,運賃計算ルール,鉄道

さらに時刻表を読みすすめると「もとの乗車券の営業キロが、
片道100キロ以内の場合には、
新旧運賃の差額をお支払いください」とあります。
これは、100キロ以内のきっぷを持っていて、
乗り越し精算の方法は、
101キロ以上のきっぷを持っていたときとは違いますぞと
言っているのであり、
発駅から着駅までの運賃からもっていたきっぷの額を
差し引いたものが精算になるのですぞ、と言っているのです。

例として、
「東京から小田原ゆきの乗車券(83.9キロ)で
熱海(104.6キロ)まできっぷで乗り越した場合は、
東京ー小田原間の運賃1,520円と
東京ー熱海間の運賃1,980円とを比較して、
差額の460円が必要です」とあります。

これは100キロ以内のきっぷをもって出かければ、
(発駅ー着駅までの運賃)-(もっているきっぷの代金)
=精算額ということで、
乗り越し精算には2種類あるということなのです。
このことをしっかりと頭の中に入れておかなければなりません。

100キロ以内のきっぷをもって乗車したときの乗り越し精算は
まことにぶっきらぼうで面白くもなんともないのですが、
101キロ以上のきっぷをもって乗車すれば、
乗り越し精算はまことに千変万化、妙なること大ありですので、
この規則はぜひ覚えておいて存分にご利用なさることです。

東海道本線近江長岡(滋賀県)から
大阪(121.2キロ)までのきっぷを買うと、
2,310円です。たった1.2キロオーバーしたために
運賃がひとつポンとはね上がってしまいます。
そこで、きっぷは新大阪(117.4キロ)まで買うことにします。
すると運賃は、1,980円です。

さて、大阪の駅で、
新大阪ー大阪間の乗り越し運賃の精算をしますと、
190円(3.8キロ)です。
2,310円と1,980円の差は、330円ですので、
330円ー190円=140円安くなってしまいます。
帰りも大阪で近江長岡の一つ手前の
醒ケ井(さめがい、滋賀県、116.4キロ、1,980円)まで
買って出かければ、
乗り越し精算は醒ケ井ー近江長岡(4.6キロ)=190円。
大阪へ行くときと同じように運賃節約となります。

小倉ー熊本は186.6キロで運賃は、
3,740円です。わずか6.6キロで3,300円から
440円上がってしまったわけです。
前の例と同じように熊本の三つ手前の西里(177.8キロ)まで
きっぷ3,300円を買って出かけるのです。
熊本の駅での乗り越し精算は230円。
210円安くなります。

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Aさんが中央本線松本(長野県)から新宿(東京都)まで
(きっぷ、IC乗車券とも4,070円、
新宿まで225.1キロ、東京まで235.4キロ)のきっぷを
買って出かけてきました。用事を思い出し、
横浜まで足をのばしました。

横浜の駅で乗り越し精算をすると220円といわれ、
それを支払いました。
松本から横浜(264.2キロ)のきっぷを買いますと
きっぷ、IC乗車券とも4,840円します。
東京までのきっぷで乗り越せば、
4,290円ですんでしまいます。
というおかしなことが起きてしまうのです。

松本から新宿までの運賃と、蒲田までの運賃が同じなのです。
この場合の乗り越し運賃の精算は、蒲田ー横浜間となります。
このからくりは、先日、7回にわたり
ご説明した「東京都区内・特定市内発着の乗車券」の記事
(11大都市へ201キロ以上行くときのミラクル)を参照してください。

Aさんが横浜へ用事を思い出したのは偶然のことです。
通しできっぷを買うよりも550円も安くなってしまうとしたら、
もはや偶然などと言っていられません。
乗り越しの規則をよく知って、これを存分に使いこなすしかありません。

先日も申し上げましたが、IC乗車券の場合は、
運賃計算は、出発駅の改札と目的駅の改札間で行われるため、
上記のように安く上げるためには、蒲田で一旦下車して、
改札を出た後、蒲田で再度改札を通り、横浜まで行くことで、
安く上げることができます。
くれぐれも、松本からIC乗車券を使用して乗車する場合は、
蒲田で一旦下車することをお忘れなく!
蒲田で下車せず、
そのまま横浜まで行って自動改札をくぐると安くはならず、
そのまま通しの4,840円を差し引かれるのでご注意ください。