きっぷ,ブログ,運賃計算ルール,鉄道

上野(東京都)から常磐線の水戸(茨城県)へ行く場合、
途中の荒川沖で下車する例を考えてみます。
上野ー水戸の運賃は、121.1キロできっぷ、IC乗車券共2,310円です。
当然、101キロ以上のきっぷですから荒川沖での途中下車は
可能(IC乗車券の場合は、途中下車すると
上野ー荒川沖の運賃が差し引かれてしまいます)です。

ですが、上野ー荒川沖のきっぷで出かけ、
荒川沖で改めて荒川沖ー水戸ときっぷを買ったとします。
通しで買ったきっぷで途中下車をしたときと荒川沖までのきっぷを
買って出かけ、荒川沖で水戸までのきっぷを買ったときを比較すると、
上野で荒川沖までのきっぷを買って出かけ、
荒川沖で水戸までのきっぷを買ったとき、
IC乗車券の場合は荒川沖で下車し、
荒川沖から水戸へ行ったとき、

               きっぷ、IC乗車券共
 上野ー荒川沖(59.4キロ)  990円
 荒川沖ー水戸(58.1キロ)  990円
 合計             1,980円

このときは、上野ー水戸と通しで買ったきっぷで途中下車するより、
上野ー荒川沖と買って出かけたほうが330円も安いのです。

水戸ー荒川沖のような例は、品川ー三島でも起こります。
品川ー三島の実キロは113.7キロですが、
品川が山手線内の駅のため、
東京ー三島間の実キロ120.7キロで運賃が計算されるため、
2,310円です。
101キロ以上のきっぷですので、どこでも途中下車可能です。

しかし、途中の平塚に用があって降りるとすれば、
水戸ー上野と同じで、分けたほうがきっぷの場合
330円安くなります。
平塚ー三島間はIC乗車券は使用できないため、
きっぷの購入となります。

              きっぷ、IC乗車券共
 品川ー平塚(57.0キロ)  990円
 平塚ー三島(56.7キロ)  990円
 合計           1,980円

もう一つの例、中央本線の笹子(山梨県)から
新宿(東京都)へ行くとき、笹子で新宿までのきっぷを買うと
1,980円(途中下車可、
IC乗車券の場合も1,980円)ですが、
まず笹子から途中の高尾(東京都)までのきっぷを買って
出かけ高尾で下車して新宿までのきっぷを買うと

                きっぷ   IC乗車券
 笹子ー高尾(47.3キロ)  860円    858円
 高尾ー新宿(特定区間)    570円    570円
 合計           1,430円 1,428円

きっぷの場合、1,430円で、550円、
IC乗車券の場合、1,428円で、552円安くなってしまうのです。

この方法は、以前記述した山手線発着の場合、
東京都区内・特定市内発着の場合に当てはまります。

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101キロ以上の乗車券を買えば、
途中下車ができるということを大抵の人が知っています。
Bさんは山手線田端(東京都)から、高崎線の高崎まで行きます。
田端で高崎までのきっぷを買うと
1,980円(105.0キロ、IC乗車券1,980円)です。

このきっぷなら途中下車できるので有利だぞっと、
大宮、鴻巣で途中下車して用事をすませようとしました。
ところで、あとでわかったのですが、途中下車ではなく、
その都度きっぷ(IC乗車券は各駅で下車する)を買うと

                   きっぷ   IC乗車券
 田端ー大宮(東京の電車特定区間)  400円   396円
 大宮ー鴻巣(本州3社の幹線区間)  330円   330円
 鴻巣ー高崎(本州3社の幹線区間)  990円   990円
 合計               1,720円 1,716円

きっぷ1,720円、IC乗車券1,716円ですんでしまいます。

通しできっぷを買い、
途中下車をした(IC乗車券では途中下車せずに着駅まで行く)ほうが
安くなるという回路がBさんのアタマの中にできあがっていた・・・。
やはり、ひとつひとつ検討して具体的な例にそって決めなければならないのです。

JRの時刻表には、次のような説明があります。
●乗車券は券面に示された区間内で、
 あともどりしない限り何回でも途中下車ができます。

 
 へぇ~、そうか。とそそっかしい人なら思い込んでしまうような表現ですが、
 次の項をみないと大変なことになります。次の項には、

●次の乗車券は例外です。
 ①片道の営業キロが100キロまでの普通乗車券
 ➁東京・大阪・福岡近郊区間だけを通る乗車券
 ➂回数券
 ④途中下車を禁止した一部の割引きっぷなど

 さらに、
●都区内・特定市内が発着となる乗車券では、
 同一都区内、特定市内の駅では途中下車できません。
 東京山手線内発着となる乗車券も同じです。
 都区内・特定市内発の乗車券は、
 すでに乗車した区間の運賃を別途払えば、
 その区間内の駅では下車することができます。(以下、省略)

次回は、実際例で途中下車のソントクをみてみましょう。

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時刻表の「きっぷの変更」というページをみると、
「乗り越しの場合は、乗り越し区間の運賃をお支払いください」とあり、
例として「東京山手線内から静岡ゆきの乗車券(営業キロ180.2キロ)で、
浜松まで乗り越した場合は、静岡ー浜松間の運賃1,320円が必要です」とあります。

この場合、東京から浜松までのきっぷを買っていたときと、
乗り越しをしたときとで、どちらがトクかソンかをみると

 東京ー浜松(257.1キロ) 4,510円

 東京ー静岡(180.2キロ) 3,410円
 静岡ー浜松( 76.9キロ) 1,340円
 合計             4,750円

この例の場合、東京から浜松まで予めきっぷを買わなかったために
240円ソンをしてしまいました。
がこの例をもって、きっぷは目的地まで買って行ったほうが安い、
と思い込んではならないのです。

以前、記述した静岡ー東京の例でみたように乗り越しによって
安くなることが多いのです。
乗り越し精算によって目的駅まで買わずに、安くなるときの目安は、
発駅から着駅までの距離がわずかな距離でポンとはね上がってしまうときです。
具体的にいうと121.1キロとか161.2キロ、180.5キロなどの場合です。
ただし、発着駅間が101キロ以上の時に限ります。

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この規則をうまく使うもうひとつの方法のひとつは市内駅のきっぷを買って出かけ、
市内駅を通過して乗り越し精算のキソクを上手につかい、
運賃の節約をはかる方法です。

常磐線の日立(茨城県)から山形へ行く場合、
日立の駅で山形までのきっぷを買うと、4,840円です。
ところが仙台まで(日立から213.8キロ)のきっぷを買って出かけ、
山形駅で乗り越し精算をすれば、〆て(しめて)、
4,250円ですみます。590円も安く行けてしまうのです。

そのわけは、次のとおりです。
仙山線、奥新川(おくにっかわ、宮城県)までが仙台市内駅に含まれています。
仙台ー奥新川はなんと、33.8キロも離れています。
日立ー仙台のきっぷで、奥新川まで行けますので、
乗り越し精算は山形ー奥新川(29.0キロ)ですむため、
こんな節約がはかれるのです。

日立ー山形(276.6キロ) 4,840円

日立ー仙台(213.8キロ) 3,740円
奥新川ー山形(29.0キロ)   510円
合計             4,250円です。

次回は、特定市内駅同士が接している場合について、みていきます。

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さて、東京都区内ではなく、この規則のあてはまる10都市の場合について、
みてみましょう。
規則を上手に活用する原則は、市内駅に含まている駅へ行くとき、
中心駅より手前の駅か、先の駅かでこの規則の活用法が変わってきます。

例1

紀勢本線の紀伊有田(和歌山県)から阪和線の杉本町(大阪市内駅)へ行くとき、
紀伊有田の駅で杉本町までのきっぷを買うと、
紀伊有田と大阪の距離が225.3キロのため、
運賃は紀伊有田ー大阪できまってしまい、4,070円となります。
そこで大阪市内駅となるのをはずして、杉本町の手前の駅まで買って行くのです。
都合よく当てはまるのは、同線上(紀勢本線上)の鳳(おおとり)です。
そこで紀伊有田で鳳までのきっぷを買って出ると次のようになります。

 紀伊有田ー杉本町(225.3キロ)  4,070円

 紀伊有田ー鳳(199.5キロ)    3,410円
 鳳ー杉本町(8.2キロ)         200円
 合計                 3,610円

460円のおトクとなります。

このように中心駅より手前の市内駅へ行くときは、市内駅をはずして、
手前の駅までのきっぷを買って出かけることにします。
同じような例です。
鹿児島本線の八代(熊本県)から折尾(北九州市内の駅)へ出かけるとき、
八代で折尾までのきっぷを買うと、
八代ー折尾は実キロの202.2キロ(4,070円)なのに
折尾は北九州市内駅のため、
中心駅の小倉までのきっぷ(222.3キロで4,400円)を
買わなくてはならないのです。
そこで折尾の二つ手前の駅の遠賀川(おんががわ、福岡県)までを
買います(198.0キロ、3,740円)。その差は660円です。
遠賀川ー折尾(4.2キロ)の乗り越し運賃は210円ですので、
450円安く行けるのです。

八代ー折尾  4,070円

八代ー遠賀川 3,740円
遠賀川ー折尾   210円                    
合計     3,950円

次回は、この規則をうまく使うもうひとつの方法について、みてみましょう。

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白石ー蒲田のようにトクする例はともかく問題は、
白石ー赤羽のような場合です。
その対策は、山手線の場合と基本は同じです。
つまり、白石から都区内となる手前の駅まで買って出かけてくるのです。
赤羽の一つ手前は川口ですので、川口までのきっぷを買って来て、
赤羽で川口ー赤羽間の乗り越し精算をします。

白石ー川口  5,170円
川口ー赤羽    150円(IC乗車券の場合147円)
合計     5,320円(きっぷ)
       5,317円(きっぷ+IC乗車券)

このようにすると、きっぷで180円、
きっぷ+IC乗車券で183円の節約ができます。
このケースでは、白石ー川口間は、
291.0キロ(281~300キロの運賃は同じ)なので、
川口よりさらに11キロ以上手前の駅まで
買ってきて(もう1ランク運賃が安くなるので)、
そこから赤羽までの乗り越し精算をすればどうなるか?

同線(東北本線)上の与野(埼玉県)がそれに当てはまります。
白石ー与野は279.2キロで与野ー赤羽間は14.4キロです。

さて、運賃は?

白石ー赤羽  5,500円

白石ー与野  4,840円
与野ー赤羽    240円(IC乗車券の場合242円)
合計     5,080円(きっぷ)
       5,082円(きっぷ+IC乗車券)

川口まできっぷを買ってでて来るより、
与野までのきっぷを買って来て乗り越した方がさらに240円安く、
白石ー赤羽のきっぷを買って来たときより420円も安くなりました。

ここで注意するのは、きっぷ+IC乗車券で行う場合は、
IC乗車券は駅改札の出入りで、
運賃計算(IC乗車券内の電子マネーの差し引きを行う)をするため、
必ず川口あるいは与野で一旦下車し、改札を出て、
再度改札をIC乗車券で通過して、再度乗車して目的駅で下車して、
改札をくぐることになります。
白石で買ったきっぷをもってそのまま目的駅(赤羽)で精算すると、
たとえIC乗車券で精算したとしてもきっぷの精算額となるので注意してください。

また、上記のケースでは、JR東日本管内でIC乗車券を使うケースでしたが、
JR東日本管内でIC乗車券を使っても、
必ずしもきっぷよりも安くならないケースがありますので、ご注意ください。
JR東日本管内のSuica,TOICAなどのIC乗車券が使用できるエリアでは、
1円単位の普通運賃設定となっているので、上記のようなことが可能です。

JR東日本管内のSuica,TOICAなどのIC乗車券が使用できるエリア以外で
IC乗車券を使用する場合は、きっぷの運賃額と同じとなります。
例えば、SuicaやPASMOをJR東日本以外のJR東海、
JR西日本、JR九州、JR四国、JR北海道で使用する場合です。

このようなケースに則(そく)して考え行動することが大切です。
ひとつ手前の駅まで買えばいいのでは、という単純に考えてはならないことを
この例は示しています。

次回は、都区内行きのきっぷで、
東京より遠いところへ行くことについて考えて見ましょう。

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東北本線の白河(福島県)から188.2キロですので、200キロ以内です。
そのため、白河で東京までのきっぷを買うと「山手線内行」となります。

一方、同じ東北本線の郡山(福島県)~東京は226.7キロ、
200キロを超えているため、東京都区内にある駅へ行くばあい、
目的駅とのキロ(距離)に関係なく、「
郡山-東京」のキロ(距離)で運賃がきまり、
「郡山から東京都区内行き」となります。

東北本線白石(宮城県)-東京の実際の距離は306.8キロです。
この規則によって、白石で赤羽(東京都)までのきっぷを買うと運賃は、
5,500円になってしまいます。
白石ー赤羽間の実際の距離は293.6キロでこの規則の適用がなければ、
5,170円ですみます。赤羽-東京間は13.2キロも離れているため、
山手線内発着のときよりも矛盾は大きくなります。

ただし、白石から蒲田(京浜東北線、都区内の駅)へいくとき、
白石-蒲田間は321.2キロで本来運賃は5,720円のはずですが、
この規則のために5,500円ですんでしまうということも起こります。

次回は、上記の対策について、
この規則(都区内と各特定市内駅における特例)について検討し、
例をあげて5回程度に分けて説明していきます。

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山陽本線広島から鹿児島本線小倉まできっぷを買うと3,740円です。
このきっぷは「北九州市内行き」のしるしがついています。
このきっぷで同線上の教育大前へ行きます。
広島で教育大前までのきっぷを買いますと、4,580円するのですが、
北九州市内行きのきっぷをつかっての教育大前での乗り越し精算は280円なのです。
3,740円と280円、つまり4,020円で教育大前へ行けるのです。
560円安くなります。

さて、この「北九州市内行き」の市内駅は、
北九州市内の25駅が範囲にはいっています。
そしてその中心駅が小倉となっていて、小倉から200キロ以上離れた駅から、
範囲内の25駅へくるときは、それぞれの駅と出発駅間のキロで運賃が
決まるのではなく、出発駅と中心駅小倉のキロで,
運賃が決まるというキソクなのです。

この「キソク」があてはまるところは全国で11あります。
以下に市内駅名と中心駅(カッコ内)を示します。

 東京都区内(東京駅)      札幌市内の駅(札幌駅)
 仙台市内の駅(仙台駅)     横浜市内の駅(横浜駅)
 名古屋市内の駅(名古屋駅)   京都市内の駅(京都駅)
 大阪市内の駅(大阪駅)     神戸市内の駅(神戸駅)
 広島市内の駅(広島駅)     北九州市内の駅(小倉駅)
 福岡市内の駅(博多駅9

201キロ以上離れたところから、上に掲げたところへ出かけるときは、
運賃計算に注意が必要です。
ちなみに、北九州市内駅行きとなるのは、
山陽本線五日市(201.4キロ)、鹿児島本線八代(222.3キロ)、
長崎本線長崎(222.1キロ)、日豊本線佐伯より1つ先の上岡
(202.4キロ)などが、北九州市内ゆきとなる目安の駅です。

この規則は、山手線内発着の乗車券の規則をひと回り大きくしたものです。

(1)この規則は東京~発着駅が201キロ以上の場合に適用される。
   東海道本線の場合、西焼津は197.0キロで山手線内行となり、
   隣の藤枝は200.3キロのため、東京都区内行となるといった具合です。
(2)山手線発着が山手線内(代々木-秋葉原を含む)だったのに
   東京都区内に拡大される。

次回から具体例でこの規則を見てみましょう。

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山手線発着の特例がどういういきさつで出来上がったのかはわかりません。
整合性のあるところにもうけると、いろいろな歪が生じてしまうことを
これまで記述してきましたが、さらに以下に示すような問題が起こってしまいます。

例えば常磐線水戸(茨城県)から京浜東北線上中里(東京都、山手線外の駅)へ
行くばあいです。このとき、日暮里、西日暮里、田端(以上、山手線内の駅)を
経由して上中里へ行くのですが、
水戸-山手線内の駅=きっぷ・IC乗車券共2,310円に対し、
水戸-上中里間は田端より遠いにも拘わらず、
きっぷ・IC乗車券共1,980円ですんでしまうと
いう珍現象がおきてしまいます。

そんなわけで、水戸から日暮里、西日暮里、田端の各駅へ出かけるときは
上中里までのきっぷを買って出かけてくれば
直接買ってくるより330円安くなってしまうのです。
帰りは出かけのときに、往復きっぷを買ってくればいいわけで
わざわざ上中里へ行ってきっぷを買う必要がないのです。
ただし、IC乗車券の場合はこの手は
使えません(出発駅と下車駅間の運賃の差し引き)ので、あしからず。

上記のようなことが、各線でおきますので、以下に記述します。

(1)中央線沿線(笹子(山梨県)から富士見(長野県)の間の各駅)から、、
   新宿、新大久保、高田馬場、目白、池袋の各駅へ行くときは、
   赤羽線板橋(東京都)までのきっぷを買って出かけてくると、
   節約ができます。往復きっぷを買って出かけてくると便利です。

(2)東北、高崎、信越、上越線の各駅から、
   田端、西日暮里、日暮里の各駅へ出かけるときは、
   常磐線三河島(東京都)までのきっぷを買って出かけてきます。
   同じような運賃節約となります。
   この手が使えるのは、下記の通りの各駅からです。

   東北本線:雀宮(栃木県)から白坂(福島県)間の各駅
   高崎線、上越線、信越本線:倉賀野(群馬県)から岩本(群馬県)間の各駅 
                 磯部(群馬県)から横川(群馬県)間の各駅

(3)高崎線倉賀野(群馬県)から田端-秋葉原までの各駅へ出かけるときは、
   総武線浅草橋(東京都)までのきっぷを買って出かけます。

(4)常磐線で日暮里、西日暮里、田端へ出かけるとき、
   上中里までのきっぷを買って
   出てきたほうがいいのは、水戸(茨城県)、
   十王(茨城県)からのばあいに限ります。

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山手線内発着の乗車券のキソクでソンすると判断したときは、規則の性格を
よく理解して十全なマイ・プランを持つことが大切です。
]
 ——————————————————————-
 |      |山手線への |到達駅から    |
 |      | 到達駅  |東京までの営業キロ|
 |——————————————————————
 |東海道線  | 品 川  |  6.8キロ  |
 |——————————————————————
 |高崎・上越 | 田 端  |  7.1キロ  |
 |——————————————————————
 |総武線   | 秋葉原  |  2.0キロ  |
 |——————————————————————
 |中央線   | 新 宿  | 10.3キロ  |  
 |——————————————————————
 |常磐線   | 日暮里  |  5.8キロ  |
 ——————————————————————-

上表は各線の出発駅からみて山手線に到達する駅とその駅から東京駅までの距離です。
上表でみると、この規則の恩恵を多く受ける利用者は、総武線を利用する方々のようです。
山手線外回りは神田、内回りは御徒町、上野、
総武線では御茶ノ水、水道橋より先に行く人は全ておトクになります。

例1

外房線御宿(おんじゅく、千葉県)からの場合はどうでしょう。
総武線飯田橋、山手線鶯谷、有楽町以遠は、きっぷ2,310円、
IC乗車券2,310円のはずですが、御宿-東京(104.6キロ)のため、
市ヶ谷、新橋、日暮里以遠の人でもきっぷ1,980円、
IC乗車券1,980円ですみます。

例2

中央線の場合、新宿-東京間は10.3キロと離れているため,
中央線沿線で東京から101キロ以上離れた駅から新宿へ来るときは、
かなりの人がソンをしてしまいます。

東山梨(山梨県)-新宿は109.8キロで、この規則がなければ運賃は、
きっぷ1,980円、IC乗車券1,980円なのに、
東山梨-東京は120.1キロですので、たった100メートルのために
きっぷ2,310円、IC乗車券2,310円です。やりきれません。

そこで、大久保までのきっぷを買って出かけていきます(IC乗車券のばあいは、
大久保で下車し、再度大久保で乗車)。大久保から新宿までの乗り越し精算は
150円です。IC乗車券の場合は、
150円です(大久保で再乗車し、新宿で下車)。

笹子-大久保間が88.7キロ、甲斐大和-大久保間が94.8キロで、
100キロ未満のため、新宿での乗り越し精算が差額精算となり、
大久保まできっぷを買っても意味がなくなりますので、この方法はつかません。

この方法を使えば、新宿へ出かけるためばかりではなく、
東京へ行く場合だって大久保までのきっぷを買ってきて
(IC乗車券の場合は大久保で下車して、再乗車すれば)、
大久保-東京駅を乗り越しすれば、大久保-東京間の運賃はきっぷ220円、
IC乗車券220円でので、きっぷ110円、
IC乗車券110円のトクとなります。

ところで、大久保ではなく同じ中央線上の計算上、
最も節約額の大きくなる途中駅(高尾あるいは八王子)までのきっぷを
買って(IC乗車券の場合、高尾、八王子で一旦下車、再乗車して)
新宿へ出ると、大久保より節約額が大きくなります。高尾-新宿間、
八王子-新宿間は「特定区間」であるため、この区間が安く運賃が
設定されているためです。

中央線のばあい、このほか出発駅によって色々な方法がありますので、
注意が必要です。
笹子(山梨県)から新宿へ行くばあい、
西荻窪で分けきっぷを買う(IC乗車券場合は、西荻窪で一旦下車して、
再乗車)ときっぷ420円、IC乗車券418円安くなります。

この例のほか色々ときっぷを途中駅で、
2つに分ける(IC乗車券のばあいは、途中駅で一旦下車、再乗車)と
いう方法で安くなることがあります。

中央線を例にとって示しましたが東海道線、総武線、常磐線、
高崎・上越線、東北線の場合も同じです。