きっぷ,ブログ,運賃計算ルール,鉄道

白石ー蒲田のようにトクする例はともかく問題は、
白石ー赤羽のような場合です。
その対策は、山手線の場合と基本は同じです。
つまり、白石から都区内となる手前の駅まで買って出かけてくるのです。
赤羽の一つ手前は川口ですので、川口までのきっぷを買って来て、
赤羽で川口ー赤羽間の乗り越し精算をします。

白石ー川口  5,170円
川口ー赤羽    150円(IC乗車券の場合147円)
合計     5,320円(きっぷ)
       5,317円(きっぷ+IC乗車券)

このようにすると、きっぷで180円、
きっぷ+IC乗車券で183円の節約ができます。
このケースでは、白石ー川口間は、
291.0キロ(281~300キロの運賃は同じ)なので、
川口よりさらに11キロ以上手前の駅まで
買ってきて(もう1ランク運賃が安くなるので)、
そこから赤羽までの乗り越し精算をすればどうなるか?

同線(東北本線)上の与野(埼玉県)がそれに当てはまります。
白石ー与野は279.2キロで与野ー赤羽間は14.4キロです。

さて、運賃は?

白石ー赤羽  5,500円

白石ー与野  4,840円
与野ー赤羽    240円(IC乗車券の場合242円)
合計     5,080円(きっぷ)
       5,082円(きっぷ+IC乗車券)

川口まできっぷを買ってでて来るより、
与野までのきっぷを買って来て乗り越した方がさらに240円安く、
白石ー赤羽のきっぷを買って来たときより420円も安くなりました。

ここで注意するのは、きっぷ+IC乗車券で行う場合は、
IC乗車券は駅改札の出入りで、
運賃計算(IC乗車券内の電子マネーの差し引きを行う)をするため、
必ず川口あるいは与野で一旦下車し、改札を出て、
再度改札をIC乗車券で通過して、再度乗車して目的駅で下車して、
改札をくぐることになります。
白石で買ったきっぷをもってそのまま目的駅(赤羽)で精算すると、
たとえIC乗車券で精算したとしてもきっぷの精算額となるので注意してください。

また、上記のケースでは、JR東日本管内でIC乗車券を使うケースでしたが、
JR東日本管内でIC乗車券を使っても、
必ずしもきっぷよりも安くならないケースがありますので、ご注意ください。
JR東日本管内のSuica,TOICAなどのIC乗車券が使用できるエリアでは、
1円単位の普通運賃設定となっているので、上記のようなことが可能です。

JR東日本管内のSuica,TOICAなどのIC乗車券が使用できるエリア以外で
IC乗車券を使用する場合は、きっぷの運賃額と同じとなります。
例えば、SuicaやPASMOをJR東日本以外のJR東海、
JR西日本、JR九州、JR四国、JR北海道で使用する場合です。

このようなケースに則(そく)して考え行動することが大切です。
ひとつ手前の駅まで買えばいいのでは、という単純に考えてはならないことを
この例は示しています。

次回は、都区内行きのきっぷで、
東京より遠いところへ行くことについて考えて見ましょう。

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発着区間が本州3社とJR四国またはJR九州にまたがる場合の運賃に
ついて説明します。

(1)発着区間のうち、幹線のみの場合は営業キロにより、
   また、幹線と地方交通線を連続する場合は、幹線区間の営業キロと
   地方交通線の擬制キロとを合計したキロ(運賃計算キロ)にもとづいて、
   それぞれ時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)から、基準額を
   算出します。

(2)JR四国(児島以南)またはJR九州(下関・小倉または博多以西)の
   乗車区間が幹線のみの場合は営業キロにより、幹線と地方交通線を
   連続する場合は、幹線区間の営業キロと地方交通線の擬制キロとを
   合計したキロ(運賃計算キロ)により、時刻表のJR北海道・
   JR四国・JR九州にまたがってご乗車の場合の(幹線)の
   加算額表(C表)から加算額を算出します。
   
(3)(1)の基準額に、(2)の加算額を合算したものが運賃となります。

   JR四国の瀬戸大橋線にまたがる区間では、運賃を別に定めた区間があります。
   JR四国の特定区間の運賃表を見てください。

   例15)山陽本線岡山から鹿児島本線熊本まで新幹線(岡山-熊本)を
      利用する場合の運賃

      岡山-熊本間の運賃計算キロは564.8キロです。1キロ未満は
      切り上げて、565キロです。これを時刻表の本州3社(幹線)の
      運賃表(A表)にあてはめ、561~580キロの欄から
      基準額9,130円が算出されます。
      次に、博多-熊本間がJR九州なので、その営業キロを
      別に算出すると、118.4キロです。
      1キロ未満は切り上げて、119キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
      JR九州の101~120キロの欄から加算額190円が算出されます。
      したがって、基準額9,130円に加算額190円を合算し、
      運賃は9,320円になります。
      ※全区間在来線を利用する場合は、山陽本線下関がJR西日本と
       JR九州との境界駅ですので、下関-熊本間197.4キロが
       JR九州乗車分になり、加算額は330円です。
       したがって、基準額9,130円に加算額330円を合算し、
       運賃は9,460円となり、
       新幹線を利用する場合と運賃が異なります。
       ※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
        櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。

   例16)日豊本線大分から予讃線高松まで新幹線(小倉-岡山間)を
      利用する場合の運賃
      大分-高松間の運賃計算キロは583.9キロです。1キロ未満は
      切り上げて、584キロです。
      これを時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)にあてはめ、
      581~600キロの欄から基準額9,460円が算出されます。
      次に、大分-小倉間がJR九州なので、その営業キロを
      別に算出すると、132.9キロです。
      1キロ未満は切り上げて、133キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
      JR九州の121~180キロの欄から加算額220円が算出されます。
      さらに、児島-高松間がJR四国なので、その営業キロを
      別に算出すると、44.0キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合のの加算額表(C表)にあてはめ、
      JR四国の41~45キロの欄から加算額210円
      (瀬戸大橋線の加算運賃110円を含む)が算出されます。
      したがって、基準額9,460円にJR九州の加算額220円と
      JR四国の加算額210円を合算し、運賃は9,890円になります。
      
      ※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
       櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。

以上、8回に渡りJRの運賃計算を解説しました。
これまで8回に渡り解説した内容をきちんと頭に入れておけば、
たとえどんなところへ行くにも運賃計算は自分でできます。

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発着区間がJR四国内またはJR九州内のみの場合で、幹線と地方交通線にまたがる運賃について説明します。

(1)幹線と地方交通線にまたがる運賃
   幹線の乗車区間の「営業キロ」と、地方交通線の乗車区間の「擬制キロ」を合計したキロ
   (運賃計算キロ)にもとづいて、時刻表のJR四国・JR九州の運賃表
   (F表とG表)から算出します。

   例12)博多から久大本線(地方交通線)経由で由布院までの運賃
      博多-久留米間(鹿児島本線・幹線)の営業キロは35.7キロと久留米-由布院間
      (久大本線・地方交通線)の擬制キロ109.0キロとを合算した運賃計算キロは
      144.7キロです。1キロ未満の端数は、切り上げて145キロです。
      これをF表にあてはめて、JR九州の141~160キロの欄の運賃2,860円を
      適用します。

   上記の例で注意することは、端数の切り上げ、「幹線キロ」と「擬制キロ」を合算した
   あとは「JR四国・JR九州の運賃表(F表)」を見ることです。
   これをお忘れなく。

(2)10キロ未満の幹線と地方交通線にまたがる運賃
   幹線の営業キロと、地方交通線の営業キロを合計したキロ数が10キロまでの場合は、
   運賃計算キロおよび営業キロが時刻表のJR四国・JR九州の幹線と地方交通線を連続して
   乗車の場合の特定運賃表(H表)にあてはまる場合はH表の運賃が適用されます。

次回は、発着区間が本州3社とJR北海道にまたがる場合の運賃について、説明します。

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発着区間がJR四国内またはJR九州内のみの場合について説明します。

(1)幹線の運賃
   幹線だけを利用する場合、実際に乗車する区間の「営業キロ」にもとづいて、
   時刻表のJR北海道(幹線)(D表)・JR四国・JR九州の運賃表(F表)から算出します。
   JR四国の瀬戸大橋線にまたがる区間では運賃を別に定めた区間があります。
   JR四国の特定区間の運賃表をご覧ください。

(2)地方交通線の運賃
   地方交通線だけを利用する場合、実際に乗車する区間の「擬制キロ」にもとづいて、
   時刻表のJR北海道(E表)・JR四国・JR九州の運賃表(F表)から算出します。
   ただし、発着区間の擬制キロおよび営業キロ特定運賃表(G表)にあてはまる場合は、
   その運賃が適用されます。

   例11)指宿枕崎線(地方交通線)鹿児島中央から指宿までの運賃
      鹿児島中央-指宿間の擬制キロは50.3キロです。1キロ未満の端数は、切り上げて
      51キロです。これをF表にあてはめて、JR九州の51~60キロの欄の運賃1,130円が
      算出されますが、この区間の営業キロは45.7キロで端数を切り上げると46キロに
      なり、G表「擬制キロ51キロ・営業キロ46キロ」の欄にあてはまるので、
      1,020円が適用になります。

次回は、発着区間がJR四国内またはJR九州内のみの場合で、幹線と地方交通線にまたがる運賃他について、説明します。