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先日は、「乗車券にはどんな種類がある?(その1)」についてご説明しました。これから「往復乗車券」、「連続乗車券」についてご説明します。

「往復乗車券」は出発駅と到着駅を同じルートで往復する場合に購入できます。さらにそのルートは、往路、復路とも片道乗車券として、成り立つルートでなければならず、かつ往路・復路とも同じでなければいけないのです。ただし、後述する特例によって複数のルートが選択できる場合には、往路・復路が別々であってもかまいません。

「連続乗車券」は片道乗車券を2枚組み合わせたものと考えればよく、乗車するルートが一部、重なる場合に発券され、2枚が1組として扱われます。ただし、1枚目の切符(連続1)の到着駅と2枚目の切符(連続2)の出発駅が同じ駅でなければなりません。

例えば、松江~姫路~高知と旅行する場合、「松江から姫路ゆき」「姫路から高知ゆき」をそれぞれ片道乗車券として購入することができます。この場合、岡山~姫路間のルートが重なっているので、2枚を連続乗車券として購入することができます。連続乗車券の効用は、2枚の切符の有効日数を足したものが、全体の有効日数となることです。

次回は、「定期乗車券」、「回数乗車券」について説明しますね。

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先日は、「特別な設備を使用する場合に必要な切符」についてご説明しました。これから「乗車券にはどんな種類がある?」についてご説明します。

鉄道に乗るために必ず購入しなければならない乗車券にはいくつかの種類があります。基本となるのが、「普通乗車券」ですが、他に「定期乗車券」、「回数乗車券」、「団体乗車券」があります。普通乗車券は、「片道乗車券」、「往復乗車券」、「連続乗車券」の3種類に分かれます。

片道乗車券は、一番オーソドックスな「○○から××行き」というきっぷで、大都市近郊区間などのよくある「○○から140円区間」という金額式の切符も片道乗車券です。これは、○○からの運賃が例えば140円区間の駅が数多くあるが故、発行するきっぷの種類を少なく(簡略化)するための便宜的な表記です。片道乗車券の大鉄則は、同じ駅を二度通らない「一筆書き」ルートに対して発行されるということで、逆にいうと同じ駅を二度通らないルートとならば、距離に関係なく片道乗車券として、購入することができます。

例えば、品川から田町に直接山手線内回りで行くのと、逆に品川から新宿、大塚、上野、神田を経由して、山手線外回りで田町に行くのと同じ切符(品川から140円区間の切符)で行けるということです。

次回は、「往復乗車券」について説明しますね。

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先日は、「鉄道に乗るのに必要な切符」についてご説明しました。これから「特別な設備を使用する場合に必要な切符」についてご説明します。

特別な設備を使用する場合とは、「グリーン車」、「寝台車」などに乗車する場合です。「グリーン車」に乗車する時に必要な「グリーン券」、グリーン券、グリーン料金は通称で、正式には特別車両券、特別車両料金です。特急・急行のグリーン車と普通列車のグリーン車では、料金が違います。

夜行列車は今では少なくなりましたが、夜行の寝台車に乗る場合は「寝台券」が必要となります。これは、A寝台、B寝台といった寝台の種類によって、値段が違います。特急でも急行でも普通列車でも種類が同じであれば、寝台料金は同じです。

「座席指定券」は指定席と設定されている車両に乗る場合に必要です。この座席指定券は座席を指定してもらうための一種の手数料です。ただし、特急の普通車、特急・急行のグリーン車、寝台車は、列車や座席を指定することが原則なので、座席指定券は不要になります。これは、普通列車や急行の普通車指定席を利用する時に必要となるきっぷです。

この他、特殊なものとして、乗車券の他に「乗車整理券」「ライナー券」が必要な列車があります。なお、乗車券・急行券・特別車両券・寝台券・座席指定券をまとめて「乗車券類」とも呼んでいます。また、乗車日や乗車する列車、指定席急行券・指定席特別車両券・寝台券・座席指定券」をまとめて「指定券」と呼んでいます。

次回は、「乗車券にはどんな種類がある?」について、ご説明します。

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先日は、「切符(きっぷ)」発売される根拠についてご説明しました。これから「鉄道に乗るのに必要な切符」についてご説明します。

すべての列車で乗車するのに必要なのが、「乗車券」です。これに例外はありません。乗車券を購入するために支払う必要があるのが、「運賃」です。運賃という言葉は、乗車券の価格に対してしか使いません。定期券は乗車券ではないと行く方がいると思いますが、定期券の正式名称は、定期乗車券です。れっきとした乗車券です。旅行時に便利な青春18きっぷといった割引きっぷなども乗車券の一種です。

JRの普通電車は乗車券だけを買えば乗ることができます。普通であっても停車駅が少ない列車が走る路線もあり、快速・新快速・特別快速などと呼ばれています。これらも普通列車の一つなので乗車券だけで乗れます。

一方で、乗車券以外のきっぷを買わなければならない列車や設備もあります。その場合のきっぷの価格が「料金」です。特急料金、寝台料金といった呼称で使われます。

JR各社では、運賃以外の別料金が必要な列車として、特急、急行が運転されています。新幹線は特殊な路線ですべての列車が特急です。

一般に速度が普通列車より速いこうした列車に乗るには、「急行料金」を支払って、「急行券」を乗車券の他に買う必要があります。特急の正式名称は、「特別急行」です。新幹線の「のぞみ」、「はやぶさ」であっても急行の一種です。だから、特急券(正式には特別急行券)も急行券の一種として、JRの旅客営業規則でも急行券に含めて定められています。

次回は、特別な設備を使用する場合に必要な切符についてです。

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先日は、「切符(きっぷ)とは何か?」ということについてご説明しました。先日の最後で、運賃は先払いが原則ですが特例がある事の説明をするというお約束をしました。これからご説明します。

それは、最近増えてきている「営業上、別の定めがある場合」です。例えば、「Suica」などのIC乗車券を利用すると、運賃は下車した駅で一括してカードから差し引かれるようになっています。今はなき、「パスネット」などのプリペイドカード乗車券が広く使われていたころには、乗車時、自動改札機にカードを通すと初乗り運賃がまず自動的に差し引かれ、下車時に乗車区間の運賃と初乗り運賃の差額がさらに差し引かれるという、面倒なことを行っている鉄道会社がありました。これは、「運賃先払いの原則」を遵守した結果でした。

ローカル線のワンマン列車で無人駅から切符(きっぷ)を買わずに整理券をとって乗車し、下車駅で運賃箱に入れるというケースも一般的になりました。これらの「運賃後払い」は、法律上、あくまで特例として処理されています。

また、ローカル私鉄によくある100円券を22枚つづりにして2000円で販売するといった「金額式の回数券」も厳密には現金の代わりに使える金券で、法令に定められる乗車券ではないのです。

次回は、「切符(きっぷ)」発売される根拠についてです。

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先日は、「切符(きっぷ)とは何か?」ということについてご説明しました。先日の最後で、駅の自動販売機で買った乗車券の詳しい説明をするというお約束をしました。これからご説明します。

駅の自動販売機で買った乗車券を持っていると、平成27年7月2日中であれば、小田原駅からJR東日本の路線の運賃190円の区間(例えば、鴨宮駅まで)に1回乗車できるという「契約」がJR東日本との間で結ばれたことになります。この切符が契約の証明で、改札口で係員(駅員)に示す、あるいはその代わりに自動改札を通すと、輸送サービスが開始されるということになります。

私鉄でも乗車券の記載は、鉄道営業法や鉄道運輸規程に則っているのは当然で、定められた項目が券面に記載されています。

逆にいうと法令に則った切符でないものは、切符ではないのです。現在もそうですが、東海道新幹線の客室出入口の上部のLED式の車内案内装置に「領収書などは切符ではありません」というお知らせが時々流れています。これは、切符を紛失したけど、切符を買った時に貰った鉄道会社の領収書は手元にあるので、お金は確実に払っている。だから、「新幹線に乗せろ」という論理のお客様がかなりの数いたためだと思います。

これは、法律的には通用しません。何故(なぜ)かというと、領収書はお金を受け取ったという証明に過ぎず、鉄道会社が提供する輸送サービスを受ける権利があるということを証明できないからです。

次回は、運賃を先払いするのが法律上定められていますですが、特例があります。これについて、ご説明します。

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切符(きっぷ)を買って、所持していなければ列車(電車)に乗ることができないという社会的な常識は誰もが持っています。鉄道を利用するための何らかの証明であることは、漠然と理解していることと思います。

切符を買うということは、ちょっと難しいことをいうと、鉄道会社と利用者が輸送サービスについての「契約」を結んだということになるのです。鉄道会社が示した条件について納得すれば、所定の金額を支払い、見返りとしてA駅からB駅まで、人あるいは貨物、荷物を運ぶというサービスをうけることができるということです。

鉄道による輸送の根本となる法律に「鉄道営業法」という1900(明治33年)に施行された古い法律があります。現在でも活きています。この法律に運賃を先に支払い、乗車券を買うことが鉄道を利用するうえでの原則であるということを定めています。

また、「鉄道営業法」に基づいて定められた「鉄道運輸規程」では、乗車券に通用区間、通用期間、運賃額、発行の日付を記載することを要するとされています。つまり、「通用区間、通用期間、運賃額」などが、鉄道会社と利用者との契約内容となります。

例えば、駅の自動販売機で買った乗車券には、「小田原→東日本会社線190円区間」といった通用区間、「発売当日限り有効」という通用期間、「190円」という運賃額、「27.-7.-2」という発行日付が明示されているのです。法律で定められている以上、様式が違っていても、これらは乗車券には必ず記載されています。

この駅の自動販売機で買った乗車券の詳しい説明は、次回にします。