発着区間が本州3社とJR四国またはJR九州にまたがる場合の運賃に
ついて説明します。
(1)発着区間のうち、幹線のみの場合は営業キロにより、
また、幹線と地方交通線を連続する場合は、幹線区間の営業キロと
地方交通線の擬制キロとを合計したキロ(運賃計算キロ)にもとづいて、
それぞれ時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)から、基準額を
算出します。
(2)JR四国(児島以南)またはJR九州(下関・小倉または博多以西)の
乗車区間が幹線のみの場合は営業キロにより、幹線と地方交通線を
連続する場合は、幹線区間の営業キロと地方交通線の擬制キロとを
合計したキロ(運賃計算キロ)により、時刻表のJR北海道・
JR四国・JR九州にまたがってご乗車の場合の(幹線)の
加算額表(C表)から加算額を算出します。
(3)(1)の基準額に、(2)の加算額を合算したものが運賃となります。
JR四国の瀬戸大橋線にまたがる区間では、運賃を別に定めた区間があります。
JR四国の特定区間の運賃表を見てください。
例15)山陽本線岡山から鹿児島本線熊本まで新幹線(岡山-熊本)を
利用する場合の運賃
岡山-熊本間の運賃計算キロは564.8キロです。1キロ未満は
切り上げて、565キロです。これを時刻表の本州3社(幹線)の
運賃表(A表)にあてはめ、561~580キロの欄から
基準額9,130円が算出されます。
次に、博多-熊本間がJR九州なので、その営業キロを
別に算出すると、118.4キロです。
1キロ未満は切り上げて、119キロです。
これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
JR九州の101~120キロの欄から加算額190円が算出されます。
したがって、基準額9,130円に加算額190円を合算し、
運賃は9,320円になります。
※全区間在来線を利用する場合は、山陽本線下関がJR西日本と
JR九州との境界駅ですので、下関-熊本間197.4キロが
JR九州乗車分になり、加算額は330円です。
したがって、基準額9,130円に加算額330円を合算し、
運賃は9,460円となり、
新幹線を利用する場合と運賃が異なります。
※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。
例16)日豊本線大分から予讃線高松まで新幹線(小倉-岡山間)を
利用する場合の運賃
大分-高松間の運賃計算キロは583.9キロです。1キロ未満は
切り上げて、584キロです。
これを時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)にあてはめ、
581~600キロの欄から基準額9,460円が算出されます。
次に、大分-小倉間がJR九州なので、その営業キロを
別に算出すると、132.9キロです。
1キロ未満は切り上げて、133キロです。
これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
JR九州の121~180キロの欄から加算額220円が算出されます。
さらに、児島-高松間がJR四国なので、その営業キロを
別に算出すると、44.0キロです。
これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
ご乗車の場合のの加算額表(C表)にあてはめ、
JR四国の41~45キロの欄から加算額210円
(瀬戸大橋線の加算運賃110円を含む)が算出されます。
したがって、基準額9,460円にJR九州の加算額220円と
JR四国の加算額210円を合算し、運賃は9,890円になります。
※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。
以上、8回に渡りJRの運賃計算を解説しました。
これまで8回に渡り解説した内容をきちんと頭に入れておけば、
たとえどんなところへ行くにも運賃計算は自分でできます。