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当たり前のことですが、15キロが一番安いとすれば、
30キロの場合、15キロと15キロに分けてきっぷを買えば安くなります。

 30キロの本州3社の幹線普通運賃は510円
 15キロの本州3社の幹線普通運賃(240円)✕2=480円

このように2つに分けた方が30円安いことが分かります。
60キロを4枚に分けたときはどうでしょうか?

 60キロの本州3社の幹線普通運賃は990円 
 15キロの本州3社の幹線普通運賃(240円)✕4=960円

やはり、15キロのきっぷの4枚のほうが30円安いことが分かります。
きっぷを2つに分けてJRを利用するのに問題ないかということをよく聞かれますが、
途中抜けているところがなければ何ら問題ありません。

例えば、根岸線磯子(神奈川県)から山手線新宿(東京都)へ通勤する場合、
磯子-横浜(JR根岸線)、横浜-渋谷(会社線、東横線)、渋谷-新宿(JR山手線)と、
私鉄をはさんでJRは2つに分けて定期券を買うことになりますが、
これが問題となることがないのは、常識で考えても分かることですね。

次回は、分けて買うと安くなる実例(本州3社幹線、電車特定区間、
本州3社幹線と電車特定区間)について、説明していきます。
乞うご期待!

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「特定区間」をうまく使って、きっぷを2つに分けると
運賃が驚くほど安くなってしまう事があります。

東海道本線(琵琶湖線)の山科(京都府)から神戸(兵庫県)へ行くとき、
山科は特定区間に入っていないため山科-神戸(81.4キロ)の運賃は
本州3社の幹線運賃になってしまいます。

ところが、山科-京都(幹線)、京都-神戸と2つに分けると、
京都-神戸が特定区間となっているため、次に示すごとき運賃となって、
その開きは230円にもなってしまいます。

この区間はJR西日本管内の運賃適用で、JR東日本管内ではないので、
IC運賃の設定がありません。
このため、きっぷでもIC乗車券(Suica,ICOCA等)でも同一運賃です。

                          きっぷ        
山科-神戸(81.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・ 1.520円
2つに分けると
                          きっぷ    
山科-京都(5.5キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・・  190円
京都-神戸(75.9キロ=「特定区間」運賃)・・・・・ 1,100円

また、次のような例が出てきますから油断がなりません。
東海道本線横浜(神奈川県)から山手線の目白(東京都)に行くときです。
特定区間運賃や山手線運賃があることを知らずに横浜-目白間のきっぷを買うと、
横浜-品川、品川-目白とに分けてきっぷを買うのと比較すると、

                           きっぷ  IC運賃(JR東日本)   
横浜-目白(36.2キロ=東京の電車特定区間運賃)・・・ 650円  649円
横浜-品川(22.0キロ=     特定区間運賃)・・・ 300円  293円
品川-目白(14.2キロ=     山手線内運賃)・・・ 200円  198円

その差はなんときっぷで150円、IC乗車券で158円にもなります。

これは横浜-品川(22.0キロ)が「特定区間」運賃であるので、
400円(電車特定区間運賃)のところが300円となっているためと、
品川-目白間が山手線内運賃となっているためです。

150円は650円の23%に当たります。きっぷの買い方を変えただけで
こんなに大きな開きがでるのは大問題です。

JRは18種類の運賃表と4種類の換算表を使う運賃システムを設定しているために、
こんな矛盾を抱え込んでしまったのです。

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高崎線の熊谷(埼玉県)から神田(東京都、山手線内の駅)へ行く場合、
熊谷の駅で神田までのきっぷを買うと1,170円です。
そこでまず熊谷の駅で大宮(埼玉県)までのきっぷを買い、
大宮の駅で一旦降りて大宮から神田までのきっぷを買うと、
1,070円(IC乗車券(JR東日本)の場合は1,067円)ですんでしまいます。
                           
                          きっぷ   IC運賃(JR東日本)
熊谷-神田(63.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・  1,170円  1,166円
熊谷-大宮(34.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・  590円   594円
大宮-神田(29.0キロ=東京の電車特定区間)・・・・  480円   473円

これは熊谷で神田までのきっぷを買えば、本州3社の幹線の普通運賃が適用されますが、
2つに分けると熊谷-大宮間は本州3社の幹線の普通運賃が適用され、
大宮-神田間は東京の電車特定区間の普通運賃となるため、こんな運賃の開きとなってしまうのです。

これは同一線上に幹線と電車特定区間がまたがっているために起きるのです。
このような例は、枚挙にいとまがありません。

東海道本線の石山(滋賀県)から山崎(京都府)の場合も同じようなケースのひとつです。
この区間はJR西日本管内の運賃適用で、JR東日本管内ではないので、IC運賃の設定がありません。
このため、きっぷでもIC乗車券(Suica,ICOCA等)でも同一運賃です。

                           きっぷ        
石山-山崎(28.6キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・   510円

2つに分けると
                           きっぷ    
石山-京都(14.5キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・   240円
京都-山崎(14.1キロ=大阪の電車特定区間)・・・・   220円
この場合、通しで買うよりも京都で分けてきっぷを2枚買うと50円安くなります。

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運賃表を見て気づく第2の点は、運賃は区間ごとに決まっているということです。
つまり1~3キロ、4~6キロ、7~10キロというように・・・。

1から3キロまでは、1キロも2キロも3キロも同じ運賃と決めているのです。
タクシーの料金も同じで、区間ごとにメーターがカシャッと上がります。

1~3キロまで同じ運賃だが3キロをたった1メートルでも超えると運賃は
次の4~6キロの運賃になります。

東京-静岡間のキロ数を見ると180.2キロとなっています。
161~180キロの本州3社の幹線の運賃は、3,080円ですが、
0.2キロ(200m以内)超えたために東京-静岡間の運賃は、
181~200キロで計算され、3,410円となってしまうのです。
静岡から東京へ行く人は、たった200m駅間が離れているために
その都度330円、高い運賃を払い続けることになるのです。

悔しいと思われる方もいるとは思いますが、なぁ~に対策はあります。
次以降で詳しく対策については記述します。

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 幹線、11キロ~15キロの運賃を比較してみましょう。
幹線は、240円、地方交通線は240円、電車特定区間は220円、
山手線・大阪環状線内は、山手線200円、大阪環状線内200円です。
ちなみに、JR東日本のICカード運賃は、消費税を1円単位で設定しているため、
幹線は、242円、地方交通線は242円、電車特定区間は220円、
山手線・大阪環状線内は、山手線198円です。

それぞれ、20円ずつの違いですが、幹線と山手線では40円、
幹線と大阪環状線では40円の開きがあります。
な~んだ、20円、40円の違いか、と思われるかもしれませんが、
実はこの20円が大きくものをいうのです。

何しろ、普通運賃は定期運賃やその他の割引運賃のモトとなるわけですから、
20円の開きが大きな意味を持ってきます。

時刻表の電車特定区間の普通運賃表のところを見ますと、
『東京・大阪の電車特定区間内(上図の範囲)のみをご乗車の場合は、
「電車特定区間の普通運賃表」をご覧ください』、
そして山手線内・大阪環状線内のみをご利用になる場合は、
「山手線内・大阪環状線内の普通運賃表をご覧ください」とあります。

したがって、これらの運賃はあくまでも、その範囲内のみを利用した時に
適用される運賃で、電車特定区間を一つでもはみ出した場合は、
他の運賃になってしまうのです。
例えば、電車特定区間からはみ出し、幹線をまたがって利用したときには
幹線の運賃となってしまうのです。

大阪の電車特定区間の図を見ると、京都よりひとつ範囲をはみ出た(東京寄り)、
山科から西明石まで行く場合、運賃はたったひと駅はみ出たために
「幹線の普通運賃表」によって計算されてしまうのです。

 山科→京都→西明石(104.2キロ)=1,980円(幹線)
 京都→西明石(98.7キロ)=1,610円(電車特定区間)

山科~京都間は6キロ(5.5キロ)で運賃は、190円です。
それなのに運賃は370円の差となってしまいます。
山科~西明石を幹線の普通運賃表ではなく、電車特定区間の普通運賃を
適用してみると1,870円で、幹線運賃より110円安くなります。
このような違いが出てくることが、運賃を18種類に分けた問題なのです。

※東京の電車特定区間(山手線内は除きます)
  東京から行くと、下記の駅の範囲までです。
  横須賀線:久里浜まで、東海道本線・根岸線:大船まで、
  横浜線:東神奈川~橋本~八王子間、中央本線:高尾まで、
  青梅線:立川~奥多摩まで、五日市線:立川~武蔵五日市まで、
  武蔵野線:府中本町~武蔵浦和~南浦和~新松戸~西船橋~
千葉みなと(京葉線)まで、
  総武本線:千葉まで、常磐線:取手まで、東北本線・埼京線:大宮まで
※山手線内
  東京、品川、代々木、新宿、池袋、田端、日暮里、秋葉原、
神田の山手線で囲まれる範囲の全駅
※大阪の電車特定区間(大阪環状線内を除きます)
  大阪から行くと、かきのえきのは範囲までです。
  東海道本線(上り):京都まで、東海道本線・山陽本線:西明石まで、
片町線:長尾まで、
  おおさか東線:放出~久宝寺間、関西本線:奈良まで、
  阪和線:和歌山まで(鳳~東羽衣を含む)
※大阪環状線
  大阪、京橋、天王寺、今宮、西九条の大阪環状線で囲まれる範囲の全駅と
  桜島線(西九条~桜島間)。ただし、JR東西線各駅は除く

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JRの営業案内ページは、「鉄道の普通運賃表(営業キロ別)」から始まっています。
これを見てまず気づくのは、JRの運賃が下記のように7つの基本運賃に分かれていることです。

・本州3社(幹線)の運賃表(A表、1種類の運賃表)
・本州3社(地方交通線)の運賃表(B表、1種類の運賃表)
・JR北海道(幹線)・JR四国・JR九州の運賃表(D表、F表、3種類の運賃表)
・JR北海道(地方交通線)の運賃表(E表、1種類の運賃表)
・JR四国・JR九州(地方交通線)の運賃表(G表、2種類の運賃表)
・電車特定区間の運賃表(1種類の運賃表)
・山手線内・大阪環状線内の運賃表(1種類の運賃表)

これに加えて、下記特定区間の運賃表があるので、合計13種類の運賃表があります。

・東京・名古屋・大阪の特定区間の運賃表(1種類の運賃表)
・JR四国・JR九州内で幹線と地方交通線とを連続してご利用になる特定運賃(2種類の運賃表)

おまけに、2014年4月の消費税増税による運賃改定で、JR東日本が1円単位のIC運賃を
導入し、これに関連して「電車特定区間内」と「山手線・大阪環状線内」の運賃がJR東日本と
JR西日本で異なるようになったため、JR東日本のIC運賃(幹線、地方交通線、山手線内、東京の
電車特定区間、東京地区の特定区間)の運賃表5つが増えており、合計18種類の運賃表が
存在します。

また、上記に加えて、本州3社(JR東日本・JR東海・JR西日本)、
3島(JR北海道・JR四国・JR九州)にまたがる時の加算額表(C表)があります。

・JR北海道・JR四国・JR九州にまたがって乗車する場合の(幹線)加算額表(C表、
 3種類の加算表)

よって、18種類の運賃表と3種類の換算表を使用して、運賃計算するわけですから、
JR運賃の計算は複雑になります。JR運賃の計算が複雑になっている要素は、下記5つの
要素です。

・多様な賃率(本州3社および3島各社、幹線、地方交通線、電車特定区間、山手線・
 大阪環状線内)
・地方交通線の運賃計算の差異(本州3社・JR北海道の地方交通線賃率とJR四国・
 JR九州の擬制キロ方式)
・賃率計算によらない特定運賃の設定(特定キロ帯、特定区間)
・本州3社と3島会社にまたがる乗車に適用される加算額
・2014年運賃改定においてJR東日本が採用した1円単位のIC運賃

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発着区間が本州3社とJR四国またはJR九州にまたがる場合の運賃に
ついて説明します。

(1)発着区間のうち、幹線のみの場合は営業キロにより、
   また、幹線と地方交通線を連続する場合は、幹線区間の営業キロと
   地方交通線の擬制キロとを合計したキロ(運賃計算キロ)にもとづいて、
   それぞれ時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)から、基準額を
   算出します。

(2)JR四国(児島以南)またはJR九州(下関・小倉または博多以西)の
   乗車区間が幹線のみの場合は営業キロにより、幹線と地方交通線を
   連続する場合は、幹線区間の営業キロと地方交通線の擬制キロとを
   合計したキロ(運賃計算キロ)により、時刻表のJR北海道・
   JR四国・JR九州にまたがってご乗車の場合の(幹線)の
   加算額表(C表)から加算額を算出します。
   
(3)(1)の基準額に、(2)の加算額を合算したものが運賃となります。

   JR四国の瀬戸大橋線にまたがる区間では、運賃を別に定めた区間があります。
   JR四国の特定区間の運賃表を見てください。

   例15)山陽本線岡山から鹿児島本線熊本まで新幹線(岡山-熊本)を
      利用する場合の運賃

      岡山-熊本間の運賃計算キロは564.8キロです。1キロ未満は
      切り上げて、565キロです。これを時刻表の本州3社(幹線)の
      運賃表(A表)にあてはめ、561~580キロの欄から
      基準額9,130円が算出されます。
      次に、博多-熊本間がJR九州なので、その営業キロを
      別に算出すると、118.4キロです。
      1キロ未満は切り上げて、119キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
      JR九州の101~120キロの欄から加算額190円が算出されます。
      したがって、基準額9,130円に加算額190円を合算し、
      運賃は9,320円になります。
      ※全区間在来線を利用する場合は、山陽本線下関がJR西日本と
       JR九州との境界駅ですので、下関-熊本間197.4キロが
       JR九州乗車分になり、加算額は330円です。
       したがって、基準額9,130円に加算額330円を合算し、
       運賃は9,460円となり、
       新幹線を利用する場合と運賃が異なります。
       ※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
        櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。

   例16)日豊本線大分から予讃線高松まで新幹線(小倉-岡山間)を
      利用する場合の運賃
      大分-高松間の運賃計算キロは583.9キロです。1キロ未満は
      切り上げて、584キロです。
      これを時刻表の本州3社(幹線)の運賃表(A表)にあてはめ、
      581~600キロの欄から基準額9,460円が算出されます。
      次に、大分-小倉間がJR九州なので、その営業キロを
      別に算出すると、132.9キロです。
      1キロ未満は切り上げて、133キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合の加算額表(C表)にあてはめ、
      JR九州の121~180キロの欄から加算額220円が算出されます。
      さらに、児島-高松間がJR四国なので、その営業キロを
      別に算出すると、44.0キロです。
      これを時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがって
      ご乗車の場合のの加算額表(C表)にあてはめ、
      JR四国の41~45キロの欄から加算額210円
      (瀬戸大橋線の加算運賃110円を含む)が算出されます。
      したがって、基準額9,460円にJR九州の加算額220円と
      JR四国の加算額210円を合算し、運賃は9,890円になります。
      
      ※山陽・九州新幹線を利用する場合でも、
       櫛ケ浜-岩国間は短い経路の岩徳線の換算キロを使用します。

以上、8回に渡りJRの運賃計算を解説しました。
これまで8回に渡り解説した内容をきちんと頭に入れておけば、
たとえどんなところへ行くにも運賃計算は自分でできます。

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発着区間がJ発着区間が本州3社とJR北海道にまたがる場合の運賃について説明します。

(1)発着区間のうち、幹線の乗車区間の営業キロと、地方交通線の乗車区間の換算キロとを
   合計したキロ(運賃計算キロ)にもとづいて、時刻表の本州3社(幹線)の運賃表
   (A表)から、基準額を算出します。ただし、発着区間が津軽線のみ
   (地方交通線)の場合には、営業キロにもとづいて、時刻表の本州3社内の
   (地方交通線)の運賃表(B表)から基準額を算出します。

(2)JR北海道(新青森以北)の乗車区間が幹線と地方交通線を連続する場合は、
   運賃計算キロにより、時刻表のJR北海道・JR四国・JR九州にまたがってご乗車の場合の
   加算額表(表C)から加算額を算出します。

(3)(1)の基準額に、(2)の加算額を合算したものが運賃となります。

   例12)秋田から函館までの運賃
      秋田-函館間の営業キロは348.6キロです。1キロ未満は
      切り上げて、349キロです。これを時刻表の本州3社(幹線)の運賃表
      (A表)にあてはめ、341~360キロの欄から基準額6,050円が算出されます。
      次に、新青森-函館間がJR北海道なので、その運賃計算キロを別に算出すると、
      166.7キロです。1キロ未満は切り上げて、167キロです。これを時刻表の
      JR北海道・JR四国・JR九州にまたがってご乗車の場合の加算額表
      (C表)にあてはめ、JR北海道の121~180キロの欄から加算額550円が
      算出されます。
      したがって、基準額6,050円に加算額550円を合算し、運賃は6,600円になります。

次回は、発着区間が本州3社とJR四国またはJR九州にまたがる場合の運賃について、説明します。

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発着区間がJR四国内またはJR九州内のみの場合で、幹線と地方交通線にまたがる運賃について説明します。

(1)幹線と地方交通線にまたがる運賃
   幹線の乗車区間の「営業キロ」と、地方交通線の乗車区間の「擬制キロ」を合計したキロ
   (運賃計算キロ)にもとづいて、時刻表のJR四国・JR九州の運賃表
   (F表とG表)から算出します。

   例12)博多から久大本線(地方交通線)経由で由布院までの運賃
      博多-久留米間(鹿児島本線・幹線)の営業キロは35.7キロと久留米-由布院間
      (久大本線・地方交通線)の擬制キロ109.0キロとを合算した運賃計算キロは
      144.7キロです。1キロ未満の端数は、切り上げて145キロです。
      これをF表にあてはめて、JR九州の141~160キロの欄の運賃2,860円を
      適用します。

   上記の例で注意することは、端数の切り上げ、「幹線キロ」と「擬制キロ」を合算した
   あとは「JR四国・JR九州の運賃表(F表)」を見ることです。
   これをお忘れなく。

(2)10キロ未満の幹線と地方交通線にまたがる運賃
   幹線の営業キロと、地方交通線の営業キロを合計したキロ数が10キロまでの場合は、
   運賃計算キロおよび営業キロが時刻表のJR四国・JR九州の幹線と地方交通線を連続して
   乗車の場合の特定運賃表(H表)にあてはまる場合はH表の運賃が適用されます。

次回は、発着区間が本州3社とJR北海道にまたがる場合の運賃について、説明します。

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発着区間がJR四国内またはJR九州内のみの場合について説明します。

(1)幹線の運賃
   幹線だけを利用する場合、実際に乗車する区間の「営業キロ」にもとづいて、
   時刻表のJR北海道(幹線)(D表)・JR四国・JR九州の運賃表(F表)から算出します。
   JR四国の瀬戸大橋線にまたがる区間では運賃を別に定めた区間があります。
   JR四国の特定区間の運賃表をご覧ください。

(2)地方交通線の運賃
   地方交通線だけを利用する場合、実際に乗車する区間の「擬制キロ」にもとづいて、
   時刻表のJR北海道(E表)・JR四国・JR九州の運賃表(F表)から算出します。
   ただし、発着区間の擬制キロおよび営業キロ特定運賃表(G表)にあてはまる場合は、
   その運賃が適用されます。

   例11)指宿枕崎線(地方交通線)鹿児島中央から指宿までの運賃
      鹿児島中央-指宿間の擬制キロは50.3キロです。1キロ未満の端数は、切り上げて
      51キロです。これをF表にあてはめて、JR九州の51~60キロの欄の運賃1,130円が
      算出されますが、この区間の営業キロは45.7キロで端数を切り上げると46キロに
      なり、G表「擬制キロ51キロ・営業キロ46キロ」の欄にあてはまるので、
      1,020円が適用になります。

次回は、発着区間がJR四国内またはJR九州内のみの場合で、幹線と地方交通線にまたがる運賃他について、説明します。