「特定区間」をうまく使って、きっぷを2つに分けると
運賃が驚くほど安くなってしまう事があります。
東海道本線(琵琶湖線)の山科(京都府)から神戸(兵庫県)へ行くとき、
山科は特定区間に入っていないため山科-神戸(81.4キロ)の運賃は
本州3社の幹線運賃になってしまいます。
ところが、山科-京都(幹線)、京都-神戸と2つに分けると、
京都-神戸が特定区間となっているため、次に示すごとき運賃となって、
その開きは230円にもなってしまいます。
この区間はJR西日本管内の運賃適用で、JR東日本管内ではないので、
IC運賃の設定がありません。
このため、きっぷでもIC乗車券(Suica,ICOCA等)でも同一運賃です。
きっぷ
山科-神戸(81.4キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・ 1.520円
2つに分けると
きっぷ
山科-京都(5.5キロ=本州3社幹線運賃)・・・・・・ 190円
京都-神戸(75.9キロ=「特定区間」運賃)・・・・・ 1,100円
また、次のような例が出てきますから油断がなりません。
東海道本線横浜(神奈川県)から山手線の目白(東京都)に行くときです。
特定区間運賃や山手線運賃があることを知らずに横浜-目白間のきっぷを買うと、
横浜-品川、品川-目白とに分けてきっぷを買うのと比較すると、
きっぷ IC運賃(JR東日本)
横浜-目白(36.2キロ=東京の電車特定区間運賃)・・・ 650円 649円
横浜-品川(22.0キロ= 特定区間運賃)・・・ 300円 293円
品川-目白(14.2キロ= 山手線内運賃)・・・ 200円 198円
その差はなんときっぷで150円、IC乗車券で158円にもなります。
これは横浜-品川(22.0キロ)が「特定区間」運賃であるので、
400円(電車特定区間運賃)のところが300円となっているためと、
品川-目白間が山手線内運賃となっているためです。
150円は650円の23%に当たります。きっぷの買い方を変えただけで
こんなに大きな開きがでるのは大問題です。
JRは18種類の運賃表と4種類の換算表を使う運賃システムを設定しているために、
こんな矛盾を抱え込んでしまったのです。